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とりとめのないこと 抜粋  作者: 汪海妹
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私なりに書き方の進め17:キャラ描写













   私なりに書き方の進め17:キャラ描写













作品に登場人物が新登場したときは、その人物の人となりを説明しなければなりません。この描写の仕方もまた、作家の個性が出てきます。例えば村上春樹さんは音楽に造詣が深いし、洋服等はじめ細かなものの描写が丁寧なので洋服のブランド名や音楽のバンド名とか曲名が出てきて、それも相まって人物描写がされますし、江國香織さんはさらに突っ込んだ服の描写が出てきます。


自分はそれはやりません。なぜかといえば、自分はあまりものに執着して生きていないので、とカッコよく言ってみたが、つまりは洋服にはあまりこだわりがありません。半端なこだわりで作品に自分の趣味を書き込むと不思議なもので自分よりこだわり持って生きている人から見て鼻につく表現になります。だから書きません。


そこでじゃあ、自分は人物をどう描写するか?ここは書く人それぞれ丁寧に考えた方がいいと思う。みんな同じでなくてもいい。


なぜ丁寧に考えた方がいいと思うかといえばですね、大体物語に引き込まれる時というのは、登場人物に共感したり、魅力を感じた時だからです。文字だけで魅力や親近感を演出するには技術が必要です。


こういうやり方は良くないと読者の立場ではガンガンいえますが、自分も書いてる身としてはそこまで強気にはなれず、ちょっとここからマイルドに個人的見解を述べますが、読者の想像力を掻き立てる。ここに尽きるのかなと。


明治ミルクチョコレート200gのうちのひとかけ20g と書いても

硬くて薄くて甘くてちょっとだけほろ苦い と書いても


明治ミルクチョコレートである!……


だから何なんだよって話だけど、小説でなくて仕事のレポートなら上が正解ですが、小説なら必ずしも上が正解でもないのである。だから、キャラの名前から始まる属性を最初っからわかった方が便利だろうと冒頭で自己紹介のように、会話文や場面状況からではなく、一人称の地の文でキャラが自分から語りかけるのも別に悪くないが、そうすると作品の属性は即自語り文になる。それは一つのスタイルであって意識的にそれを選んでやってるのと、さっさと全部わかった方が読者も便利だろというのはちょっと違う。


小説と仕事の報告書は違います。必ずしも短く端的に登場人物の属性がわからないといけないものでもない。


この人学生のようだけどどんな人なんだろう、何歳?そんなことを思わせながら進んでも全然よい。


小説というのは読者とトランプしてるようなものだ。最初っから自分のカードを全部見せなくてもよく、というか、見せちゃうと読んでる方もつまらない。何を見せて何を見せないか、非常に意図的なゲームのようなものだ。


そして、これを書くのは2回目かもしれないが、イケメンをかっこいいと書くだけなら小学生でもできる。こう書くと小学生に、小学生ばかにすんなと、文句を言われるかもな。ま、でも、そういうことだ。


私がここで声を大にして言いたいのは、意外とイケメンというのは、没個性で気をつけないと似たり寄ったりになる。だから、そのかっこよさをどう表現するかというのは結構課題ですし、そして、頑張ってもたいして効果がない。つまりイケメンがぞろぞろ出てくる話ははっきり言って面白くない。つまり、イケメンはメインディッシュなのでドカンと中央にいてもらいますが、物語を盛り上げてくれるのは、イケメンではない!ここに断言しよう!


それでは物語を盛り上げてくれるのは誰なのか?それはもちろん、愛すべき脇役達である。ずんぐりむっくりな友人の横でイケメンが輝き、イケメンが登場したとたん、霞と存在感の消える脇役こそが、カレーで言えば福神漬けであり、らっきょうなのだ!福神漬けとらっきょう、なめんな!


そして、さらに、イケメンキャラの描写をどうするかの考察に入る。大事なのはイケメンと一括りにしてはならない。化粧品売り場で有名ブランドのアイテムがずらっと並んでいたとする。あんな感じで、心のデパートの売り場に、今売れ筋のイケメンをずらっと並べよう。名付けてイケメン売り場だ。こっから必要に応じてイケメンを出動させる。イケメン派遣業だ。


私の作品に出てくるイケメンは、イケメンとは何かを科学的に考察した結果、登場いただいた御仁達ですが、残念ながら作者の個人的バイアスが最終的に強烈にかかり、皆、Mっ気がある。


我が課題はs男子である。売れるSイケメンもここに並べなければならない。俺様キャラが好きな女子もいるのである。ところが、わたしときたら俺様キャラが妄想の世界の中でも現実でも大嫌いで、見かけるとあの手この手で虐めようと思ってしまう。イエーイ。


話が横道にそれましたが、イケメンを褒める時に使える要素は顔がかっこいいだけではない。お金のある男の人をかっこいいと思う女の人もいますから、そういう場合は顔が服が靴が時計が、そんで車が、などと物属性をどんどこ書いて、金のある男、カッケー、もいいのであるが、ベタである。それなら何を書くのか?一つに驕る場面、つまり金払いの良さでがんす。プラス、例えば社長として部下をアゴで使う様子とか、有名人と肩を並べてる設定とか、そういう、普通に生きてて普通に「こいつ、すげー」と思った場面から組み立てて、いい男を描写するわけだ。反対に、金ではなくてとにかく顔とか体とかがいい男をどう描写すればカッコよく感じられるのか、これはまたなー、どうだろう?


これもまた、形のいい眉を顰めてとかそういう描写もあるのだけど、わたしは個人的にはそういう描写は最小に留めたい派です。それで、これが超難しいのですが、例えばイケメンがいたら、周りの女性の態度が違う。そういうやりとりから書きたいなというのもある。イケメンは自分に自信があるから、そーゆー発言の仕方をするし、周りの人もキャピキャピと返事を返している、そういう外堀埋めが好きです。


それと、わたしの小説は少女漫画設定ですから、作品の中には何人か芸能人クラスのイケメンがいて、これは読者にもちゃんと、芸能人クラスのイケメンです、とご紹介しています。ご紹介の後はもうわたしがわざわざ『形のいい眉が』などと拙い表現でイケメン描写をしなくても、読者の方がご自身で頭の中にイケメンを思い浮かべながら作品を読んでいるのだと思う。だから、この人は芸能人クラスのイケメンですと紹介し、背の高さはこのくらい、とかある程度設定を入れた後は、自分は極力イケメン描写を入れません。


うまくいえないのですが、マイナスの美学とでもいうのかなぁ?少女漫画設定を取り入れ、なくてはならないイケメンメインディッシュを据えておりますが、実はあまりに甘すぎるものは私の好みではないのです。


「甘いもの好きだからケーキ食べているのに、このケーキ、砂糖があんまり入ってなああい!」


という感じでしょうか……。


ところがね、味というものは不思議なもので、もうちょっと恋愛小説なのだから、甘い場面が欲しい、欲しいと、砂糖欠乏状態で進んでいって、ここというときに甘いというのも、もっと甘さを感じるものなのだ、と勝手に思ってます。


最初っからやたらに甘い言葉が飛び交わされ、常に『形のいい眉が』(→しつこいな、わたしも)的な男の美しさを讃える表現が所狭しと並べられるっ!お腹いっぱいであるっ!


ただ、これは小説の良し悪しではなく、わたしの好みです。恋愛小説から入りましたが、恋愛だけだとメリハリがなと特に最近思っているし、そもそも当初から恋愛のみで書いていくつもりではなく、むしろ恋愛を中心にしか書けなかったという状態でして、自分としては恋愛要素は小説の一部であり、そればかりにならないような物語設定をしたいのです。


ただ、ややこしい話をしてもややこしいだけなので、やはりここでもう一度恋愛小説でキャラ設定に戻って結びますと、恋愛小説は私的には苦さと甘さを上手に使い分けて書くと良いと思う。甘い場面を読みたくて読むのが恋愛小説ですが、そこへ辿り着くまでにもっと淡々とした苦さの助走が必要。甘さを書き抜く実力よりも、苦さを配置する実力の方が、実は良い恋愛小説を書くコツではないかと思います。まぁ、こんな言い方をして良いのかと思いつつ書いて仕舞えば、長い前戯がある方が、良いということなのよ。性欲をどう描くかというのもまた別の問題でもありますが、その性欲を控えめに出すにしてもばんばん書いちゃうにしても、どっちのパターンであっても、そこまで至る部分、ここが私が苦さの助走と読んでいる部分ですが、そこは長い前戯なのだと思うべしということ。そこまでをどうもっていくかというのが、書き手の技術というわけさ。


こんなに偉そうに恋愛小説について書くほど恋愛小説を極めているわけでもなく、またこれから極めるつもりもないのですが、とりあえずこのように書いてみた。


でもね、一部の人間以外は、セックスって飽きるものだ。だから、恋愛小説ばかり書いてもいられなくなるのよ。恋愛要素は小説の一部で、もう少し複数の要素を含んだものを書きたいと思うようになるわけです。


イマイチ終わりがすっきりしませんでしたが、今日はこのへんで。


汪海妹

2024.07.27

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