AI生成画像?
AI生成画像?
毎日、地下鉄で通っております。駅構内にそこかしこと貼られているとあるポスターが最近気になっている。深圳の某歓楽地の夏のイベントのポスターで、欧米系の美人とイケメンと美少女と美少年がにこやかに笑うポスターなのだが、これ、AI生成画像だよな……、と思って。
それから、毎日通るものだから、毎日見て、これ、AI生成画像だよな……、と毎回思ってるわけ。
AI生成画像の使用についての法律まわりって、中国でどうなってるんだろ?
1秒、考えて、どうでもいいやと思った。私と関係ないし。それで、法律はどうでもいいや、倫理もどうでもいいや、と思いつつ、しかし生粋の妄想体質である私の脳みその中でわやわやと妄想の小人たちが出てきて会議を行う。
「モデルさんの仕事がなくなっちゃうよ」
「んだんだ」
生成画像でポスターができるなら、生きた人間の写真はいらなくなるぜ。どんだけ安くなるんだろ?そうか、天然物と養殖物みたいなものだな。
「それなら、もう、未来はグラドルもいらないね」
「えっ!」
これには衝撃を受けた小人たち。しかし、小人は元々は女子から派生している。私が女子だからな。
「それでいいね!」
あっさり可決された。さようなら、青少年の夢。これからは生成AIによる画像をご利用ください。
「でも、脱ぎたい人はどうするの?」
「ん?」
「脱がしてそれを見たい人はともかく、脱ぎたい人はどうするの?」
「……」
しばし、考える。しかしだな。この人たち、一見頭が柔らかくて融通がきいて話のわかりそうな人に見えるが、根っからの優等生気質というか、クソ真面目な人間なのである。
「仕事がないなら、何か仕事を与える。グラドルの天然物は、それを、この世から一切、抹消する」
「どんな仕事?」
「農業」
ここで、小人たち大いにブーイング。
「なんだよ、農業、何が悪いんだよ?」
「グラドルが、綺麗な肌を日に焼いて、農業するかよっ」
「だからだな、屋内農業だっ」
「なんじゃそりゃ」
もやしやえのき、しめじ?確か、屋内で暗く栽培できる作物があったはずだ。
「そんなにたくさんもやしやえのき作ってどうするんだよっ」
「そんなん、国民もやしディを作るっ」
どこの国の話だろう?
「法律を作る。もやしディ」
販路を確保した。ピラリラリ(←ゲーム的な音響効果)
「いや、もうちょっと考えて、グラドルがもやしを作りたいかね?」
100人に1人は喜ぶかもしれない。
「ちゃんと真面目に考えて?」
「じゃ、忍者だ」
「お?」
「今、インバウドで、忍者が人気だぞ。だから、日本全国で忍者が足りなくて困ってる」
おおおおおお、ぱちぱちぱち満場一致で可決した。
「でも、脱ぎたいんだよっ」
満場一致ではなかった。
「脱ぎたい人の希望を叶えないのは、憲法違反だよっ」
「え、そうなの?」
「誰か、憲法持ってこい」
そんなもの、私の脳みその中にはない。
「待て待て、みんな、私の話を聞け」
リーダー格っぽい小人が出てきたぞ。
「問題はここだ。美少女をいかがわしい仕事から守り、もやし育成者か忍者として育てる協会としては」
「おう」
「しかし、本人の意思を尊重しよう。今は21世紀だからな」
「おう」
「ホンッットウニ、脱ぎたいのか、それともやっぱ脱がされているのか、それをきちんと検証する」
「へー」
「つまり、今後天然グラドルは資格性になる」
「お!」
おおおおおおお!なんかよくわかんねえけど、すげえ。
「結局、売れる手段としては脱いでもいいけど、脱がなくても売れるなら脱がねだろ。大多数は」
「お?」
「もっと脱がないでも売れるプロセスをだな、開発してだな」
なぜか、起業系の話になってきた。しかし、目的は、美少女を守る!
「それでも、それっでも脱ぎたい人だけは脱げば良い!」
「おおおおおお」
「それ以外は生成AIに頑張ってもらおう!」
「ところで、写真の隅とかに表示は必要だろうか?」
「ん?」
これは生成AIによって作られた画像であり、本物の写真ではありません。
「そうだな!書かないとな」
「性犯罪が増えないですか?」
「え……」
えーーーーー
「いやでも、これからはそういうAI系のそういう系がすごいことになっていってるらしいぞ。多分、AIが頑張ってくれる!」
日本の未来を守る!
「結婚する人減ったりして」
「ん?」
「今以上に少子化進むんじゃない?」
「えー」
「だって、本物の恋愛をする人、減ってるって言わない?」
チーン……
AIが恋人になってくれたら、本物の恋人いりません。いりません、いりません?
「いや、自分の思い通りになる相手と恋愛してもつまらねえぞ」
「設定で、変えられます」
「え?」
「漫画のキャラとかを使って、性格設定できます」
チーン……
「ちなみに海妹ちゃんなら、誰がいいですか?」
「イタズラなキスの入江くんにしてください」(即答)
ガーピシ、ピシピシ、わりと昭和な音がするロボットだぜ。
「お前なんか100万回すれ違っても、100万回無視してやるわ」
「あ、振られた。やっぱり琴子じゃないとダメなんだ」
ちなみに上のようなセリフが本当に漫画の中に出てくるが、回数は100万回じゃなかったと思う。
「次は?」
「えー、次?あ、竹野内豊さん」
「俳優はダメです。役柄で言ってください」
「じゃあ、冷静と情熱のあいだの時の竹野内豊」
「古いな」
ガタピシ、いつまで続けようか?
汪海妹
2024.07.24