読書感想文:キングダム 8巻
読書感想文:キングダム 8巻
前からキングダムが好きで、アニメも見るし、漫画も読んでいるのですが、今日は一番好きな部分について感想文を書こうかなと。好きな部分はいろいろあるのですが、一番好きなのは、趙の人質だった政が闇商人の頭領である紫夏に助けられて秦へと脱出する場面です。
先ほど読み返しましたが、泣きました……。ちなみにちょっと話が横道にそれますが、私は映画を見たりニュースを見たりドラマを見たり、漫画を読んだり、本を読んだりしながら、よく泣く人間です。もうちょっと言うと、小説を書きながら泣いている時もあります。
それは置いといて、秦の始皇帝と言えば超有名な人じゃないですか。そして、王族なわけじゃないですか。ところが、キングダムでの政の生い立ちは私たちが王族と言われて思い浮かべるようなものとはかけ離れているのです。
粗末な家に住み、その日食べるものにも事欠き、盗みをしては捕まり、趙人にボコボコに殴られているという。
そんな訳あるかーいって最初は思ったんだけど、漫画を盛り上げるために無理な設定をしたのかなって。ところがさ、秦の始皇帝は本当に人質として趙で暮らしてるのよね。もともとは父親が趙と秦の間の休戦協定のために送られた人質でした。ところが、父親の祖父である昭襄王がそんな協定を無視して趙に攻め込んでいたので、政の父親も何度も殺されそうになってる。
最も凄惨を極めたのが長平の戦いという戦さで、その戦で秦は捕虜にした40万人を生き埋めにして殺したそうです。
40万人!
関東大震災死者数10万人の4倍
東京大空襲 8万人の5倍
その翌年に政が敵国のど真ん中に生まれてしまうという。20人以上いる王子の1人にすぎない父親はそのままでは太子として立つ確率はほぼゼロでしたが、趙の商人呂不韋によって取り立てられ、太子として立つことが決まり妻子を残して1人秦に脱出してしまいます。漫画では残された政がズタボロに蹴られたり殴られたりしながら、しかし、命だけは助けられて生き抜いたことになってます。
ちなみにWikipediaによると、父である子楚が脱出した後、政は趙王によってその命を狙われますが、見事に潜伏して逃げ切ったと書いてありました。漫画では政の身分が知られた上で、ズタボロにされてますから、ここはちょっと違いますね。いずれにしろ、ディテイルは違うにしろ、始皇帝は幼少時に命の危険を感じながら生きていたってことは本当のようです。
漫画の中では政の秦への脱出を手助けするために盗賊の女頭領である紫夏も2人の仲間も死んでしまいます。この3人、別に特に秦に何かゆかりがあるのでも、王族に何か恩義があるわけでもない。
ではどうして見ず知らずと言っていい政のために命を投げ出したのか。
それはこの3人も以前、餓死寸前だったところを義父に助けてもらったからだという。義父は自らもその時敵から逃げている状況で、3人も助けたら荷が重くなり自らの命も危険に晒すかもしれないというのに、見ず知らずの子供達を助けた。
だから、助ける。拾った命だから別の人の命を繋ぐために自分も使うのだと。
そして、紫夏が死に際に政に告げるのは、あなたは王族として本来ならば受けることはないであろう痛苦を味わって大きくなった。だからこそ誰より立派な王になるだろうという言葉。
ここが好きなんですよねぇ。
もしも、命を助けられた経験がなければ、できなかったでしょうねぇ。ただ、命を助けられた経験があったとしても、やっぱ普通はできないよねぇ。人のために自分の命を投げ打つなんて。
自分の命を助けるために、人が死んだら、死ぬことがあったら、やっぱりシンプルにその死んだ人の分まで一生懸命生きなきゃなと、そう思うんじゃないかなぁ。
自分は、これみよがしな綺麗事というのは好きではなくて、だから、映画だろうがドラマだろうが漫画だろうが小説だろうが、細かな部分まで好みがうるさいです。そんな自分ですが、キングダムはずっと外してないですね。読んでいて胡散臭いなと思うことはなく読んできている漫画です。
ただ、それでも敢えてあげるとしたら、男性マンガお約束の、あの、戦闘にちっとも向くとは思えないような露出度の高い女性の衣装、ね。執筆契約書の一部に女性キャラの戦闘服は露出度を高くするようにとでも書かれているのかしら?殺し合いをするのに露出度高かったら、命守れないよ?!
そのうちそんな法律できませんかねぇ、合理性のない露出度の高い服の着用はフィクションの世界で禁止する。つまりは海辺で海水浴してるのならオッケー。戦闘シーンで肌露出は、違うだろ!!
しかし、そこ、シビアに売上に響くのかもね。露出度下がると単行本の売り上げに弾みつかないとか?どうなんでしょう。
ちなみにキングダムで女子で露出度の高い戦闘服を着ているのは、桓騎ファミリーの黒桜さんです。結構好きなキャラです。寒そうなので、ちゃんと服を着せてあげてくれ。
あ、しかし、いかーん。もう、回想シーンとか出ないと出ない御仁でした。
それでは今日はこのくらいで
優等生とお笑い芸人
2024.06.19