表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とりとめのないこと 抜粋  作者: 汪海妹
147/343

子供は産んだほうがいいのか?













   子供は産んだほうがいいのか?













自分が結婚して子供がいて、尚且つ、割と子供が好きな人間であるからして、まず、最後まで読まなくてもこの人、子供は産んだほうがいいと言いそうだなとうっすらと推測できる流れです。


しかし、せっかくだからそんな自分の立場をスポッと脱いで、着ぐるみとして横に置いておいて、今日は思索してみようかと思う。


それで、まずここに第一のお話を、少子化の日本の今後を考えると、子供は生まれたほうがいい。ただ、子供を持たないからと言って罪に問われるわけではなく、選択は自由である。


次に、産んだほうがいいから産もうと思って産む人というのも変な話で、全体の割合からいって産むとか産まないとか私たちに選択肢がないことだってありうる。欲しくてもできなくて苦労されている方とか、結婚して子供が欲しいけどなかなか縁がない方とか、或いは子供は欲しいけど経済的な理由やその他の理由で持てないこともある。


そういうのを全部排除した一部の人たちだけが、産むか、産まないかの選択をするわけであって、これは実は一部の人間のためだけに考察された文章と言ってもいい。一応そこを先に書いておく。


私の姪っ子ちゃんがまだまだジェンジェン青い若者なのですが、頭のいい子で、なんだか、自分の価値観が変わることがあれば結婚とか考えてもいいが、メリットが見つからないそうです。おばちゃんに仙台の牛タンをごちになりながら、延々とガンガンと結婚にいかにメリットがないかを語っていた。


姪の母親である姉も私も結婚もしたし子供も持ったし、二人とも家族や子供はいいよねと普通に思っている人たちなので、遺伝ではないと思う。


「これも食えや」

「いいの?」


とりあえず、そのとうとうと続く論理的な、結婚はいかにメリットがないかのご高説を伺いながら、自分はもう流石に胃弱でもあるし未来の若者へ投資だと思い、自分の牛タンを差し上げた。ですので、いわばこれは姪へのお手紙みたいなもんである。本人に出せやって話なんですが、すんません。本人に出す前に一回ここで下書きを。


えー、こほん。


世の中には子供が可愛いなと思い、見てると幸せになるような根っからの子供好きもいます。私もこれに近い。でも同時に、子供が嫌いな人もいるんです。「いらないっ」って断言できるなら、これはもう持たなくてもいいんじゃないかな。日本人、減っちゃうよっ!ってとこは問題でもあるんですが、これはもう致し方ないかなと。


で、そうではなくて、結婚や育児にメリットが見えないという方、ご自身の30代、40代、50代、60代、ずいぶんいっちゃったけど、どんなふうに生きていきたいかを言葉に表してみてほしい。子供がいたらできない生き方をしたいから、結婚とか育児とか興味ないと思ってると思うので。


そして、この次、ここが一番大事なんですが、40代、50代、60代で結婚せず子供もいない人の話を聞くべきです。


何が言いたいかと言えば、20代までの経験値であなたが描く未来予想図と現実は本当に一致しているのかということですよ。20代まで生きてきて、それまでの経験でもし自分が死ぬまでに自分に起こることや、感じること、経験するだろうことが全部予想できるんだったら、


生きる意味ないんじゃないの?


って思っちゃうのよね。すみませんね。口が悪くて。私ももともとそういう体質だから、お金にもならないことをとことん、それこそ子供の頃から考えてきたんですよ。そりゃ、もう、口の減らない可愛くない子供でした!


私の究極の結論は、金銭的な意味から子供を持つことにメリットがないなら、むしろ、生きていること自体が無駄だなと思いましたよ。死ねば、葬式代払えばあとはゼロではないか。墓参り関連で自分にかかるお金はいくらだろう?


ひい、ふう、みい……(紙幣を数えている)


まぁ、こういう極論では議会も紛糾して、解散になるだけなので、少し気を取り直して、


自分自身が20代に予想していた自分の30代とか40代と、実際に歩んできた道やその時、その時に感じたことは予想と全然違いました。若い時に、これを選ばなきゃよかったなと後悔したこともたくさんある。とはいえ、経験するまで理解できなかったりわからないことが多いと思うから、経験者の話を聞いたり読んだりするのはとても大切だと思うのです。


私の周りには独身だったり結婚しているけど子供がいなかったりする同世代の人がたくさんいます。いなくてよかったといっている人は一握りで、大抵の人が大なり小なりモヤモヤしてる。


私はそりゃ、子供がいるので、私に説明させたら、子供がいてこんないいことがあったとかなんとかしか言わないですし、すると、「うるさいな」と思われて聞いてもらえないと思うのでね、だから、ぜひ、いない人の話を聞いてほしい。


子供がいなくても仕事をバリバリしていて輝いている人だっている。でも、それ、子供がいないから仕事をバリバリして輝いている、なのかなぁってことと。子供がいようがいまいが、仕事がバリバリできる人もいれば、できない人もいるって話です。自分はなんなのかってことよ。


中途半端に他人の人生に憧れてはいけません。もし、本気で仕事をバリバリして輝いている人になりたいなら、具体的にロードマップみたいの立てて戦略的に行くべきだし、そのロードマップがカツカツで結果的に結婚や子供が入らなくても、それは致し方ない。しかし、挟み込める隙があるなら挟み込んでもいいじゃないか。


だって、子供がいないから成功する、ってことはないと思うしね。


また、仕事をしてもいいけど、そこまで仕事をしなくてもいい。そこも自由だってことですよ。他人の真似をして生きてもうまくいきません。自分に本当に合っている生き方はなんなのかって考えて、女性でね、頑張って仕事に生きてこうと思ってやってきたけど、折れました、とほほって時に、そこからもうちょっと楽して生きる道に入りますって人がいたら、それでいいと思うけどな。


結婚しないで子供もいらないって生きていると、周りの人からいろいろ言われて嫌だとよく聞くし、反対に言われなくても、世の中の全てが「結婚しろ」とか「産めよ、育てよ」なんて囁いてくるなんてグロッキーになってる人もいますが、そんな世間一般の常識というか観念のようなものがあったとしても、自分がよく考えて産む、或いは、産まないという道を選んで、迷っていないんだったら、他人が言っていることも世間で言われていることもそよ風みたいなもんです。


迷ってるから、他人の言葉や世間の風潮に反応しちゃう。だからこそ、とことん考えたほうがいいと思う。後から後悔しないように。


それと、自分が生きてきて、また、周りの人を見てきて思うんですが、人生というのがずっとうまくいっている人、というのに私は会ったことがありません。人生にはいいときと悪い時がある。成功している人というのは、自分にいい運がきた時に、それを100%活かしきっている人だと思うんですね。


この世を生きている人たちの中で、そんな風に昇竜或いは滝を上る鯉のようにうまくいっている人は少なくて、大多数の人は生ききってないよなぁ。


そこで、「なにをっ」っと思って流れに逆らう人間の意気込みが、私は嫌いではないですが、無理をすればうまくいくってものでもないですよ。バイタリティは人によって違う。一部のすごい人たちを眺めてしゃかりきに「なにをっ」って滝に打たれながら滝をのぼり、何度も滝壺に落ちても構いませんけどね。


そこ、自分らしくいきましょうよ。自分には自分の生きるテンポがあるんです。他人のテンポやリズムで踊ろうと思っても、結局はうまくはいきませんよ。


子供を持つか持たないかという問いの前に、まず、自分自身のリズムとテンポで毎日をいき、いろいろなことを考えないと。子供を持つかどうかというのは人生の中にあるさまざまな判断の中の一つに過ぎません。


自分のリズムとテンポを知り、何ができて何ができないかを知って生きている人というのはイライラしながら生きていないし、周りの人と必要以上にぶつかったりもしません。


自分には限界がある。それを知って初めて、何かが終わるんじゃなくて、始まるのだと思います。自分の限界を知っている人間だからこそ、自分の活かし方がわかるし、また、地に足をつけた状態から少しずつではあるが自分の限界を広げる形で成長できる。そこで成長した部分は見栄を張って大きく見せた自分ではなくて、本当の自分の実力のはずです。


背伸びして、本当以上に自分を大きく見せようとするのをやめた時、あなたはどう生きるのを望みますか?


2024.05.25

優等生著



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ