海外生活のすすめ
海外生活のすすめ
2024.04.02
大学を卒業して数年東京で働いたのちに中国に来て、それからずっと中国におります。
私のように若い人で、国内で働くのではなく海外で暮らしてみたいという人もいると思うので、自分の経験をもとに何か書いておこうかと思い筆を取りました。正確にはIPADで文字を打っているのですが。
一言で言えば、たとえばですね。海外にも事業所のある日本の会社に入って、海外勤務の順番が回ってくるのを待つか、それとも、海外に先に出てしまってから仕事を探すか、この二つは全然違います。待遇が全然違うのです。だから、世の中にいる大人が皆口を酸っぱくしていうつまらない話をまず私も最初にしておこうかなと思います。
もし、そこそこいい大学を出ていて大手企業に入るチャンスがある人なら、まずは大手企業に入って何年か働いてみるというのはいいと思います。若い頃は、一度安定した大きな会社に入ってしまったらそれが捨てられなくなって海外に飛び出せなくなるって不安に思う人もいるかもしれないけれど、ここでまたつまらない大人としてひとこと言いますと、
大会社に入って → 辞めて海外に出る ……物理的に可能
海外に出る →気を取り直して大会社に入る ……正社員としての入社はかなり難しい
一度海外に出ちゃうと、それから仕事をするときに選べる選択肢が自動的に減ります。だから、できるうちにとりあえずやっとけばって話です。でも、数年働くだけで辞めるなら、そんなん別に何にもならないじゃんって話ですが、実はですね、そうでもないんです。
仕事で結構いろんな人の履歴書を受け取って見てきたのです。何人も候補がいたときに、何を中心に見るかというと、ま、学歴と職歴の中に有名な学校や会社があったらまず見ます。転職歴が数社ある人の場合、一社目で有名な会社に入った人はその後ろでも有名な会社に入っている率が高いです。有名な学校の名前と大手の職歴というのは通行証のようなものになるんですよ。
また、転職に有利だということだけではなく、大手には大手の会社の制度や仕組みがある。会社に入らなければそれに触れることはできないですね。たった数年だとしても、一つのきちんとした会社のやり方というものを知っているか知らないかではかなり違います。
ただね、そんなことは言っても自分自身は無鉄砲に海外に飛び出してしまった人です。
では、そういう常識的な生き方ではなく面白おかしく生きて行くんだいって人バージョンにBパターンの生き方を薦めるとすれば、
あのね、終わりを決めときなさい。海外で面白おかしく生活するのは何歳までと決めて、その後ろはクソまじめまで行かなくてもいいけどさ、持続可能な次の生き方を決めときなさい。
で、結論から言えば、お金があれば生きていけます。働かなくたっていいよ。
でもね、働かないで生きていける人って一部の人だけで、大抵の人は働かないと生きていけないんです。
俺は宝くじが当たるんだとか
リーマンなんかにならずに株式投資で生きてくんだぜいとか
お金持ちと結婚するんだとか
油田を掘るとか
北海道に埋まっている金塊を見つけるんだとか
主夫になるんだとか
(小説家になるんだとか←若干自分)
最初はかっこよく海外に出たぜ!のあとにだんだん歳をとりながら徐々に妄想を膨らまし、現実から離れないように。
若い頃は夢いっぱいで、歳をとるごとに徐々に現実に近づくようにしてくださいね。
ちなみに、自分は中国で20代の頃日本語教師をしていました。夢はあるけど金のない仕事で、選んだ夫は中国人で、この主人もお金持ちとかではなく普通の中国人でしたので、日本人の男性が持って帰ってくるお給料よりは少ないわけで、愛と夢はあるけどどうすんねんって感じでした。
上の方であんな偉そうにAパターンについて高説垂れましたが、じぇんじぇんBパターンな人ですよね。
行き当たりばったり。いやっほう!
で、日本語教師をしているときに主人と結婚し、そのときに勤めていた日本語学校が経営不振で潰れました。
主人は一応有職、ワタクシは無職で子供を産みました。
ぶっちゃけ、でも、別に、全然、なーんも考えてなくて、次、仕事、どないすっぺ?と思いながら生まれたての赤子を抱いていたら、なんとですね、向こうから仕事が来た。
これもご先祖様のご加護か、はたまた根が真面目ですので悪いことはせずに正直に生きてきたから神様が見ていてくれたのか、単純に昔からお知り合いだった在中国の日本人コミュニティの皆様が、あの人、これからどうすんだ?大丈夫かと思ってか、仕事が来ました。
だから、基本的にはね、きちんと論理的に考え、ライフプラン的なものを考えて、若い頃はやんちゃしてもいいけど、35歳の壁と言って、35歳以降はグッと転職しづらくなるし、それまでにはお金を稼いでいく主軸みたいなもの持っておけよなんてどこの大人でもいいそうなことを言ってはいるのですが、
そんなふうにきっちりやっていなくたって、どうにかなる時もあるのですよ。
やっぱねぇ、助けてくれる人がいるんですよねぇ。
ただね、結婚やら育児やらはケッコーお金かかりますから、行き当たりばったりではやっぱダメっす。
そして、そんなワタクシですが、もしも過去に戻れたら、もう一回中国来るか?と自分で自分に問うてみる。
これは別のところにも書いたのですが、ほんの少し前までは、何度も何度もこんなふうに考えていました。
自分が今、うまくいってなかったり、苦しんでいたり、悩んでいたり、不幸せなのは、選択を間違えたからじゃないかって。
そして、たとえばスタバで1人コーヒー飲みながら、ボケッと外見ながら、さまざまな if を繰り返して、もしあの時〜たら劇場を繰り広げていたのです。延々と。
だけど最近その考えが変わりました。成功するかどうかは選択にはよらないと思います。
そりゃ確かに、選択によってその後の人生が変わるということはあると思う。だけど、どれを選択したってきっとその人生には試練というかなんというか、楽ではないことがあると思うんですよ。
だから、過去のこととか全部忘れちゃえばいい。
えっと、本当に忘れると色々と大変なことになっちゃうので、記憶は必要なんですが、過去の選択でね、失敗したななんてクヨクヨ考えるのはやめた方がいい。
やった!あの時、中国来ちゃってよかったな!キテル!
実際には何も来てないんですが、なんでもいいからキテルことにしてしまえば良い。あの人に会えたじゃん、ラッキー!みたいな。
別に自分の人生は全てが悪いわけではなく、全てがいいわけでもない。しかし、過去は変えられないので自分の過去のガラクタを入れた倉庫から、使えそうなものは片っ端から出してこれから売るんだよ!その気になればどんな経験だって使えるし、意外と売れるぞ!
おっと、海外生活のススメのはずだったのに、ズレてるぞ。
もう少し戻しましょう。戻して終わらせましょう。
つまりは、国内できちんと就職して海外駐在を待つのではなく、自由に海外に出るような生き方を選ぶ時、必ず手に入れるものもあれば失うものがあります。反対に、海外に出てみたいという気持ちを殺して国内で居続けたら失うものはないけれど、手に入れられない人生もある。
もう一ついうと、国際結婚というのは、普通の結婚とは違うので魅力的な側面もありますが、自分のその熱狂的な関心のようなものが一時的であり、その熱狂が冷めても、婚姻関係は続きます。
結婚ってね、長いのよ。長い!
何かにチャレンジする前に色々と考えちゃったら何もできなくなっちゃうから、やらないで後悔するよりはやった方がいいと思います。ただ、やってしまった後で、なんかこんなはずじゃなかったと思ったとしても、責任は取らなければならない。選択した結果を簡単に捨ててはならないですね。
それができればきっとどんなふうに転んだってそれなりにやっていけるのではないかな?
それがたとえ、国内であっても海外であっても。
まとまりなく終わりすみません。
汪海妹