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とりとめのないこと 抜粋  作者: 汪海妹
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ペッタンコの鼠












   ペッタンコの鼠

   2021.11.18

   *若干気持ち悪い話かもしれません。鼠ダメな方、読まずに飛ばしてください。汪海妹*











 大学を卒業後、東京で姉と二人で暮らしながら約三年働いていた。その後、色々あって中国へ来た。


 あの頃の中国、あの頃の深圳、今のような都会ではなかった。

 深圳の更に郊外の工業団地で勤めていた自分。日本ではあり得ないような光景に何度も出くわしていた。


 その中の一つがペッタンコの鼠だ。


 同じ系列の工業団地Aから工業団地B。徒歩5〜10分。よく歩いてた。

 道路ですごい物を見た。


 ぱっと見はゴミに見えた。よく見たら、厚さ約5mmほどに綺麗に伸ばされた鼠。もちろん死体。

 死んだ後にまるで大きなローラーで丁寧に伸ばされたようにペッタンコ。からっからに乾いていました。

 そして、鼠としてはかなりでかい。ミッキーマウスみたく人気者になれそうな可愛さなど微塵もない、正真正銘のでっかい鼠。


 あまりのショックにしばらく観察していた。


 何にショックかというと、日本生まれ、東北生まれ、綺麗というか清潔な国ニッポンでは、まず、ネズミ自体をほとんど見たことがなかった。それも、こんなでかいネズミ。


 しかも、どうすれば、こんなにペッタンコになるのかなと。


 血の一滴も見えない。そして、からっからに乾いている。つまりは、かなりの長時間の間、この道路の真ん中で放置されていたのかと。


 この前まで東京にいました。最寄りのコンビニはセブンイレブン。帰宅途中にあそこでアイス買って食べながら帰るのが好きな普通の20代の日本人女性だったのに、なぜ、コンビニのないこんな最果てまで来た?自分の口に合うケーキもアイスももう長いこと口にしてなかった。1番最初はコンビニが恋しくてたまらなかった。そんな折に、このネズミ。


 一体全体自分は人生をどこで間違えたのだろう?


 ネズミを見ながら思う。ネズミもきっともう命はないのだけれど思ってる。


 何が悲しゅうてこんなとこでペッタンコになった挙句、いつまでも放置されるような死に目に合わなければならない?


 お前、前世で何か悪いことしたのか?


 お前はどうだ?


 どうだろう?ちょっと考えて思う。

 いやいや、私、前世の記憶ありません。


 それじゃあな。


 おいおい、俺を荼毘に伏してから立ち去れ!


 鼠の声を無視して、私は工業団地Bへ向かった。


 現代に意識を戻して続ける。

 小説を書き始めて投稿し始めた時、私の小説を読んだ人は、一体私のことをどんな人間だと思ってるんだろうなぁと考えてました。一応恋愛小説で、一応純愛系?

 しかし、実際は綺麗とは程遠い生活を……。


 ぺったんこのネズミなんかどこをどうとっても純愛小説には必要ないわけで、なんだか詐欺だよなと思ったんですよ。

 あんなペッタンコの鼠見ても平気なような生活を送っておいて、純愛小説書くなんてさ。

 私が書かなきゃいけないのは、冒険小説じゃないの?ペッタンコの鼠の経験を生かせるようなさ。


*ペッタンコの鼠を見た経験を活かした冒険小説 例えば ↓


 そして鼠のジョロ吉は私の去り際に捨て台詞を吐く。


「けっ!オメエも行く末は俺とおんなじ目にあうんだぜ」


 立ち去ろうとしていた私、不意にツカツカと戻ってくる。


「ふざけんな。オメー消毒して溶かしてやる」

「ぎゃー」


 ゼンッゼン冒険小説になりませんが……。ちなみにこういう時、洗剤は何使えばいい?洗剤じゃ溶けないよな。しかし、硫酸とか素人は使えないしな。確か、Dr.Stoneで硫酸の作り方をしていたような。でもね、確か、硫酸って危険だよね?

 ああ、だめだ。科学知識も足りねえ。(文系であって理系ではなかったのだ……)











   

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