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詩シリーズ

ハジメマシテサヨウナラ

作者: まさかす

冬の終わりを告げるその花は

春の到来を告げる花


出会いの季節にだけ開くその花は

別れの季節にだけ開く花


人はそんな花咲く季節を待ちわびる

それが咲き誇る光景を待ちわびる

それが舞い散る光景を待ちわびる

出会いと別れの開花を待ちわびる


その花は新しい季節を伝える使者にして

暖かくも切ない出会いと別れの演出家


しかし一見美しく見えるその演出も

見方を変えれば全く別の様相を呈する


それは冬の寒さで閉じていた心を春の暖かさで以って開かせて

その開いた心から無言のままに何かを奪ってゆくというような

そんな強引にして非情にして罪人(つみびと)のような所業に映る


人はそんな罪人を待ちわびる

それがもたらす出会いを喜び

それがもたらす別れに涙する


人は数十年という短い人生の中で

そんな出会いと別れの季節を待ちわびる

それが咲く年に一度の季節を待ちわびる


人はそんな季節に笑顔で以ってハジメマシテと告げ

頬に(しずく)(した)らせつつも笑顔で以ってサヨウナラを告げる


その雫は頬に一筋の光る道を残す

残されたその道は未来へと向かう道

戻る事の出来ない未来へと向かう道

振り返る事しか出来ない戻れない道


頬に伝わる一雫(ひとしずく)

人はそれを嬉し涙と呼ぶ


2021年05月23日 初版

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