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4月26日

作者:
掲載日:2020/01/21

初投稿。めっちゃ短い。

4月の、26日のことだった。


気になっていたサークルの新歓バーベキュー。行きたいけど知り合いゼロは心細くて、参加費500円に釣られてくれた友だちと飛び入りで参加した。

しかし生憎バーベキュー後のワークショップでその子とグループが分かれて席が離れたのだ。

隣の席に座った同じ新入生に話しかける気になれず、またゲームの説明をする上回生の話を聞く気にもなれず、仕方なしにぼーっと周りを見渡していた。


「好きなんですか、ホームパイ」

その人に声をかけたのは、ただの気まぐれだった。強いていうなら話相手が欲しかったのだ。


人が前に立って話しをしているというのに意に介さず、テーブルの間をうろちょろと、何をしているのかと思えばお菓子を取っていっているのだ。

グループにひとつのテーブルの、それぞれの真ん中あたりに無造作に積んであった小分けのお菓子、その中のホームパイだけ。剥いだ包装をそのままテーブルに置いていくあたり、徹底してタチが悪い。

誰も何も言う気配がないので上の方の先輩なのかなと思う。

「おいしない?」薄黄色のパッケージの中から出てくる、薄いパイ生地。咎めたつもりはなかったが、さりとて手を止める気はないらしい。サクサク、サクサク、、


もちろんホームパイも悪くないが。

「わたし、カントリーマアムのほうが好きです。」

同じ不二家のお菓子なら断然コッチ。赤い個包装を手に取って破いた。ココア味。





そんなこともあったな、なんて思い出したのは、「今日限りのお買い得!」なんていう黄色いポップが目に入ったからだ。

外はサックリ、中はしっとり。バニラとココア、20枚入りファミリーパック。


「ねえねえ、これ買って」

あの4月26日に初めて聞いた、そして今はもう飽きる程聞いた声が聞こえた。


振り返る。


抱っこ紐で抱かれた息子が足をバタバタさせていた。最近ようやっと首が座って縦抱きができるようになったが、6キロともなると長時間持ってるのはラクじゃない。

「おいしそうちゃう?」

ホームパイ、大人のリッチチョコ。

わたしは買い物カゴを差し出しながら笑ってこう言った。


「わたし、カントリーマアムのほうが好きなんだけど」

お読みいただきありがとうございました(*´³`*)

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