4月26日
初投稿。めっちゃ短い。
4月の、26日のことだった。
気になっていたサークルの新歓バーベキュー。行きたいけど知り合いゼロは心細くて、参加費500円に釣られてくれた友だちと飛び入りで参加した。
しかし生憎バーベキュー後のワークショップでその子とグループが分かれて席が離れたのだ。
隣の席に座った同じ新入生に話しかける気になれず、またゲームの説明をする上回生の話を聞く気にもなれず、仕方なしにぼーっと周りを見渡していた。
「好きなんですか、ホームパイ」
その人に声をかけたのは、ただの気まぐれだった。強いていうなら話相手が欲しかったのだ。
人が前に立って話しをしているというのに意に介さず、テーブルの間をうろちょろと、何をしているのかと思えばお菓子を取っていっているのだ。
グループにひとつのテーブルの、それぞれの真ん中あたりに無造作に積んであった小分けのお菓子、その中のホームパイだけ。剥いだ包装をそのままテーブルに置いていくあたり、徹底してタチが悪い。
誰も何も言う気配がないので上の方の先輩なのかなと思う。
「おいしない?」薄黄色のパッケージの中から出てくる、薄いパイ生地。咎めたつもりはなかったが、さりとて手を止める気はないらしい。サクサク、サクサク、、
もちろんホームパイも悪くないが。
「わたし、カントリーマアムのほうが好きです。」
同じ不二家のお菓子なら断然コッチ。赤い個包装を手に取って破いた。ココア味。
そんなこともあったな、なんて思い出したのは、「今日限りのお買い得!」なんていう黄色いポップが目に入ったからだ。
外はサックリ、中はしっとり。バニラとココア、20枚入りファミリーパック。
「ねえねえ、これ買って」
あの4月26日に初めて聞いた、そして今はもう飽きる程聞いた声が聞こえた。
振り返る。
抱っこ紐で抱かれた息子が足をバタバタさせていた。最近ようやっと首が座って縦抱きができるようになったが、6キロともなると長時間持ってるのはラクじゃない。
「おいしそうちゃう?」
ホームパイ、大人のリッチチョコ。
わたしは買い物カゴを差し出しながら笑ってこう言った。
「わたし、カントリーマアムのほうが好きなんだけど」
お読みいただきありがとうございました(*´³`*)




