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リーズ・ナブルは此れにて御免 ~元軍人付与士は冒険者として成り上がる~  作者: アゲインスト
ダボンナ王国独立編 ~リーズ・ナブルの???~
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リーズ・ナブルと不揃いなパーティー

どうもアゲインストでございます。

森で出会った少女、しかしそれだけではなかった。

今回はそんなお話。

それではどうぞ。


修正、ライドのランクを鉄から銅に

 魔法使いとしては定型とも言えるような少女が木の影から現れた。 どうやらこの盗賊たちについて話があるようだが、こちらが返答するより先に彼女のいる方の森の奥から更に人影が出現してきた。

 

「もうマール!! 急に飛び出ていくなっていったでしょうが!!」

「でもセルーナ……このままだとこの人たちが……」

「だからって一人で行動しないの! ほんとあんたってば勝手なことばっかり!!」

「ごめんなさい……でも」

「でももなにもない!! いきなり出ていって、余計な警戒をされたらそれだけ危険度があがるじゃない!! 相手は自分よりも多い敵を簡単に倒すような奴なのよ!」

 

 少女の隣へと駆け出してきたのは同じような年齢に見える金髪の少女。魔法使いの少女、マールと比べてスラリとした体格で頭一つ分背が高い。彼女のその格好を見るに射手のようで、要所要所を皮鎧で守るような装備をしている。

 どうやら先ほどの戦闘を見られていたようだ、こいつが俺に向ける視線には多分に警戒の色が含まれている。

 そして出てくるのは彼女だけではなかったみたいで、更に二人がこの場へと参戦してきた。

 

「マール、セルーナ」

「お二人とも、落ち着いてくださいな」

「ライド君、シェルフィー……」

「しょうがないでしょ! 毎回こうやって好き勝手に動くんですもの! いくら私たちで最大攻撃力持ちだっていってもその分守りは弱いのよ!」

「で、でも……」

「まずは落ち着こう。この人に空気を読んでもらっている内にきちんと訳を話すべきだ。こっちの事情はあの人たちには知らないんだから、ね?」

「うん……」

「大丈夫ですわ。きちんとお話をすれば分かっていただけるはずです」

 

 出てきたはいいものの内輪での話し合いに集中しだしやがったぞこいつら。新しく出てきた二人は剣士風の男と神官か僧侶に見えるおしとやか気な赤髪の女だ。どうやらこいつら四人で一つのパーティーのようだ。

 まあそれはそれとして……何だ? 俺はこれが終わるのを待たなきゃならないのか? 

 

「あほくさ」

 

 無駄に時間を費やして盗賊どもが動き出したら面倒だ。こうやっている間にも体から麻痺が抜けていく、次の街まで二三日掛かるという話だから時間を無駄にできない。食料にだって限りがある、最低限生きていてもらわんといけないからこれも必要経費で削らなきゃいけないというのに。

 俺は一行の話し合いを横目に見つつ、ボスの男を馬車へと回収する。抵抗の声でもあげると思っていたのだが、どうやらあの集団に助けてもらえるかも、とは思っていなかったみたいだ。盗賊なんぞしているくせに妙に潔い奴だ。手荒には扱わないようにしてやろう。

 

「あの、すいません。どうか僕たちの話を聞いてもらえませんか?」

 

 残りの残党たちに恨みがましい目で見られながらボスが収容されていく。先に出発の準備をしていた御者がテキパキとボス、いやいつまでもボスじゃ何か、もうそうじゃないんだし。後で名前でも聞いておこう。とにかくこいつが余計なことをしないように馬車の後方に拘束していく。

 

「あの……すいません聞こえてますよね? ちょっとお話があるんですけども」

 

 しかしなぁ……どうせだったら魔物の襲撃がよかったなぁ。今んとこ使える素材がほぼないし、折角の旅なんだからできれば見たことないような奴に会ってみたかった。

 

「あの!」

「聞こえてるようっせぇな」

 

 ちっ、わざと無視してんだから突っ掛かってくんじゃねぇよ。

 明らかに面倒なことになるのが目に見えてんだから無視一択だろうがよ、そういう自覚のない奴はこれだから困る。

 はぁ……しゃあねぇ、聞くだけ聞こう。その話とやらを。

 

「何? なんか用か?」

「……その盗賊たちにことでお話があります。少しばかりお時間をいただけませんか」

 

 とりあえず意見がまとまったということか。このパーティーの代表ということだろう、剣士風の男が前に出て交渉を持ち掛けてきた。

 

「その少しばかりってのが、十分過ぎてると思うんだが?」

「でしたらもう少しだけお願いします。そちらにとっても悪い話ではないんです」

 

 ほう、図々しくも利益を語るか。ただの小僧かと思ったがそこらへんは弁えているようだ。

 

「だったらまずは素性を明かしな。怪しい奴との取引はしねぇ」

「ちょっと!! 私たちのどこが怪しいってのよ!!」

「俺の戦闘が終わってしばらくしてから出てきた。まるで俺がやられてから奇襲でも掛けようかとしていたところに、盗賊が返り討ちにあったから困惑して動きが鈍ったかのように見える」

「それは……!」

「俺たちの戦闘を見てたんだろ? なら、もう少し早く出てくることもできたはず。地面に転がってる連中を運ぶのを手伝うってところから出てきてりゃまだ印象が変わったかもしれなかったぜ?」

「そ、その……うぅ……」

 

 俺の主張にも一理あるのか、不審だと言われていきり立ったはいいものの反論しきれず言葉に詰まってしまう。そんな彼女を押さえ、ライドとか言われていた奴が話を続ける。

 

「セルーナ、ここは僕に任せるってことにしただろう」

「でもライド、あんなこと言われちゃ……」

「この人のいうことに間違ったところはない。まずは通すべき筋を通すべきだ」

 

 そういって射手の少女を諌めたライドは首から下げていたネックレスを前に掲げて、改めて素性と経緯を語った。

 

 

「―――僕たちは冒険者パーティー「星の歩み」です。盗賊の被害調査、注意喚起の依頼を受けてサベクから来ました。今、サベクの街へ続く道には盗賊たちの出現が多発しています。どうでしょう、僕たちはそこに転がっている面々からこの動きが組織的な行動なのかを調べたいのです」

 

 

 冒険者としての証であるプレートは、銅の鈍い輝きを放っていた。

 そしてサベクという街の名前から、何が発端になっているのかを理解した。

 

「街の近くに、ダンジョンが出現したんです。その恩恵に預かろうと街に集まってくる人たちを狙って、少なくない被害が出ています。僕たちはその被害を減らすために活動してるんです」

 

 真っ直ぐにこちらを見据える少年は、理想に燃えた瞳をしていた。何とも青臭いが、そうするに足る理由があるんだろう。

 

 しかし……サベク、か。

 そういった問題があるとしても、ここから一番近いのはそのサベクの街だ。諸々の事情を鑑みてもここを中継しなけりゃ先に行けない。

 厄介事の臭いがしてきやがったが、さてどうするべきかな?

 

 俺はこの冒険者たちとの関係をどう構築していくか、思案しつつもっと情報を引き出すために会話を続けることにした。

読了ありがとうございました。

感想など大募集しておりますのでよろしくお願いいたします。

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