リーズ・ナブルと宣戦布告
どうもアゲインストでございます。
昨日は更新できずすみませんでした。
今回の話は少し短く、すぱっと切っております。
それではどうぞ。
「―――……いやはや、お見事なもんだ。こういっちゃなんだがここまでできるとは思わなかったぜ。一応こいつは俺様の次につえぇんだが、真剣勝負でなかったとはいえ真っ向からあしらわれたってのは十分な実力を持っているって見ていいやな」
ふてぶてしい表情でこちらを見据える男。
ガラドルの戦士団を統率する戦士であるが、どうにもその風格のようなものを感じはしない。
しかし、それとは別に嫌な気配を感じる。
のらりくらりとしたこの感じ、どうにもあの上司を思い出してしまう。
「確かにいうだけのことはある。ホラ吹き野郎の戯れ言と、切って捨てるわけにはいかなくなった」
「……で、どうするんで?」
「乗らせてもらうぜ、張り合いのある相手がようやく出てきたんだからな」
そして俺の肩に触れつつ様子を伺っていたライドたちの方へと近寄っていく。警戒の表情を浮かべる少年たちの対し何もしないといわんばかりのオーバーアクションで応じる。
「やーやー若き冒険者たちよ、脅かして悪かったな。俺様たちもやり過ぎた部分があったのは反省するところだ。こいつは迷惑料ってことでお前らの方からこの店に納めといてくれ」
そういうと懐からジャラジャラと音のする小袋を取り出してテーブルの方に置いた。
「これでちゃらとは言わねぇが、ダンジョンじゃあ軋轢なくやってこうや。純粋な勝負ってやつがお前らとできるかは疑問だが、少なくとも他の腑抜け共よかマシだろうからな。期待してるぜ」
言うだけ言った奴は仲間に号令を掛けて早足に撤収していく。
俺と戦った赤毛の戦士ユリアナの憎々しげな視線が最後まで俺を指していたが、後ろから奴にど突かれる形で外に出ていくこととなった。
「……ま、待ってください!」
そして奴も出ていこうとしたとき、ライドが席を立ってその足を止めた。
奴は律儀に出ていくのを止め、ライドの方へと顔だけを向けながらも話を聞く体を見せる。
「どうした少年。何かあっか?」
「……ガラドルの戦士団団長と、僕のような新米が比べられるようなことではないことは重々承知の上です。それでも、これだけは言っておかないといけない」
「ほう?」
「ここは僕たちの街です。あなたたちにも当然ここで暮らす権利はあります。それでも、ここで暮らす以上はこの街の平穏を乱すようなことをしないでください。あなた方の力なら、その位簡単なはずです」
それは街の動乱に心痛める少年の切なる願いであった。
自分の力が足りないということを十分に理解しつつも、それをできるのにしていない相手に対して勇敢に立ち向かっていた。
「……安心しろい。俺様たちがたわむろってたのはつまらん連中ばっかだったからよ。でもお前さんみたく熱意に溢れた奴が相手をしてくれるってんなら楽しくなるじゃねぇか。ここまできて暇潰しに精を出すほど馬鹿じゃあねぇさ」
―――お前さん、名前は?
「……「星の歩み」代表、ライドです」
「「ガラドルの戦士団」団長、ジュリウスだ。楽しい競争にしようぜ」
これを期に、二つのグループが正式な競争関係となった。
くつくつと笑いながら立ち去っていく姿を見ながら、一先ずの終息ができたことを理解したライドは緊張感から解放された途端青い顔をして椅子に体を預けるように座り込んでしまった。
心底心配だという顔をした他二人に介抱されながら、ライドは俺を見据えて宣言した。
「……リーズさん」
「ああ」
「僕、みんなで勝ちたいです。お力添えをお願いできますか」
それはできないと思いながらの、それでもという覚悟を滲ませたその瞳が痛いほどに俺に訴えていた。
「何言ってやがる。俺がやることにお前らが着いてくんだ、やらないわけがねぇだろ。任せろよ、言ったことは必ず達成する。安い仕事は主義じゃないんでな」
こうして俺はダンジョン攻略へと尽力する道を進み始めた。
協力者は新米冒険者、相手は数、質ともに上回るような熟練者たち。
だが、相手にとって不足はない。
何故ならこれは潰し合いではなく、どちらが早く攻略できるかという勝負だからだ。
目標、ダンジョン最深部。
期限は一週間。
さあ、忙しくなるぜ。
読了ありがとうございました。
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