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7 国王の考え[国サイド]

 サンチェルド王国の王城の王室にて。

 コノハに「豪華だなぁ」と思わせた謁見の部屋より落ち着いた装飾がしてある。

 しかし見る人が見れば家具ならなんやら全てが一級品だとわかるだろう。

 


 ここには人払いしたため、この部屋の主ーーサンチェルド国王と側近の二人だけしかいない。


 「…あれは本当に8歳なのか?」

 

 国王は今日のあの少女について側近に聞いた。

 

 「えぇ、正真正銘8歳児です。

 …これで3回目だぞ。いい加減認めろ」

 

 そう、国王は同じ質問はすでに3回もしていた。側近-国王と幼馴染でもある-に睨まれ「す、すまん」と返す。

 彼は国王と長い付き合いであるため、他に人がいない時、敬語がなくなる。

 時と場所を考えているのでいいのだろう。

 

 そんなことよりも、今、部屋の空気がかなり重かった。

 訳はあの少女だ。

 

 「しかし、あの鋭い眼差し、それにあの殺気…けっこうだったぞ」

 

 「まあ、確かにな…」

 

 彼女ーーコノハは無意識だったようだか、国王がさらに口を開こうとしたとき、目が細まり、殺気がもれていた。

 それにあの聡明な話し方…国王は彼女が8歳だとは信じられないのだ。

 確かに側近も同じように思っていた。

 しかもあれであの炎竜を倒したのだ。

 そのうち、炎竜が倒されたことは世界中に知れ渡るだろう。

 そうなれば、どこの国もコノハを取り込もうと躍起になる。

 そうなる前に此方側に引き込むことを考えていたのだが、言う前に殺気に押されてしまった。

 何か方法を考えなければならない。



 時間がかなり経過し、もう日はとっくに暮れていた。

 側近が帰ろうか、なんて考えていた頃。

 国王は何か思案して、

 

 「…まあ、それでもいいか」

 

 「は?」

 

 国王はにっこりと黒い笑顔をこぼした。



 「……………」



 長年の付き合いゆえに、その笑顔がいいことにいくことがないと知っている。

 ーー相手にとって。




 側近はあの綺麗な少女の行く末を本気で案じたーーーー。








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