24 作戦決行
やさてさて、今は真夜中。
今日はいつも姿変わる月が姿を見せない日。
月明かりもなく真夜中に魔物退治に行ったいつかよりも真っ暗だった。
そして、ついにこの国から逃げる時。
竜を倒してからすでに二週間が経過していた。
何故ここまで遅くなったというと端的に言うと「気づかなかった」のである。
例えば、調子に乗って買いすぎた魔道具の部品を見てアイデアが大量に浮かび、それを紙に書いていたこととか。
例えば、逃げるために作った魔道具がなんかあり得ないほど性能がいいとか。
ちなみにマジックボックスも含めてである。
また例えば、マスターの日頃の感謝を込めて作った白髪染め(薬じゃないよ、魔道具だよ!)を本人が頑なに受け取らないから半ば無理矢理押し付けるのに時間がかかったこととか。
後は魔法の開発とか逃げるための準備の魔道具作りとか魔道具作りとか魔道具作りとか…………。
要するに魔道具作ってたら「……あ、二週間経ってた」という状況。
コノハにとって魔道具作りは趣味だ。
誰が何と言おうと趣味だ。
そしてコノハが作った物は基本性能がいい。
国宝級が多数。
…………これを聞いたら魔道具研究者が泣く。絶対。
まぁ、それはさておいて。
家の中は家具すらなくなり、中は空っぽである。
捨てるのも忍びないのでマジックボックスに全て入れたのだ。
コノハだって全て入るとは思っていなかった。
最初は「どのくらい入るのかな?」という実験のためでもあったが、途中から考えるのを止めた。
だって普通に入るので。
……………この時点で外見より20倍は入ることは確定である。
コノハはマジックボックスの容量について詮索するのはこれっきりにしようと決めた。
それも置いといて。
準備もできたので。
「さて、逃げようか」
コノハはローブを着て小さく家に別れを告げて裏の窓からそっと出た――――――
◇◆◇
その後、また王の使いの者がやって来たが一向に出てこないコノハを不信に思い、しょうがないので家に魔法を使って入った。
しかし中はもぬけの殻で家の中は文字通り空っぽだった。
その事はすぐに国王に伝わり彼は即「コノハを探し出せ」と命令した。
だがどこを探しても彼女が見つかる事はなく――――
――――コノハという竜殺しの少女は神隠しのように姿を消した――――
おはようございます、こんにちは、こんばんは、柊レイです。
挨拶はとりあえず全部言ってみました(笑)
やっと動き出したコノハですが次は一旦閑話に入ります。
コノハが逃げた後の裏話的な感じです。
国王やギルドマスターなんかを書こうかなぁ、と思ってます。
ではでは、また!




