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11 逃げる準備 その1 ※大分話が逸れます

なやらコノハはこの国を出ると決めたら、すぐ行動に移した。

 あの腹黒王様がいつ動くかわからないので。

 それに面倒事を回避しようとするコノハは何よりもそれを全力でやる。

 

 

 

 することその① 

 まず、超便利アイテム、マジックボックスを作る。

 マジックボックスとは見た目より多くの物を入れることができる魔道具のことだ。

 先日使った収納魔法も同じようなものだが、一つ大きな弱点がある。

 自分の魔力をずっと与え続けなければ維持できず、魔力が無くなれば中身はどこかに消え失せてしまうことだ。

 その中身は必ず見つけることはできないのだ。

 これはやらかした冒険者の話である。

 

 (ああ、あのときは長かった…。私が収納魔法使っているってわかったあと……。本気で言わなきゃ良かった……。あれで全部予定狂った………)

 

 あれは確か、一年前---


 たまたまそこに居合わせた彼女はすでに一週間中身を探していたその冒険者に収納魔法の恐ろしさを延々と語られた。

 更に「私、使ってます」と発言したことで彼はヒートアップし、最終的に彼のパーティーメンバーが止めに入った。

 いや、もっと早く止めろよ、と思わずにはいられなかった。

 ソッコーでパーティーメンバーに詰め寄ると、

 

 「なんか、熱気が凄すぎて……」

 

 と言われてイラッとして全ての元凶の彼や彼のパーティーメンバー全員にキンキンに冷えた水を魔法でぶっかけた。

 熱気を冷ます勢いで。

 彼のパーティーメンバーは熱気があった訳ではないが連帯責任ということで。

 地味に(元凶)はパーティーのリーダーなのである。


 て言うか収納魔法はそれがデメリットでだからこそ使う人が少ないんじゃないか、それを承知で使っていたんじゃないのかと思った。


 もちろん、コノハはそれをわかっている。

 だからこそ、使っているとも言える。

 彼女の魔力が底を尽きたことがないので。

 収納魔法を常時発動していても特に問題ない。


 ちなみに収納魔法は上位魔法である。間違っても7歳児には使えない。

 ………普通。

 

 

 当時、自分の異常さをよく理解していなかった彼女は「そんなことあるんですね~」とゆる~く答えて、(元凶)だけでなく、彼のパーティーメンバーからも「お前が異常過ぎるんだよ!!!!」 とブルブル震えながら言われてしまった。


 次の日、そのパーティーは全員熱で倒れたらしいと人づてに聞いた。

 自分がやったが、さすがに(彼以外)可哀想だったので最高級の薬(市販)を彼以外に渡し、(元凶)には薬(自作)を渡した。

 ちなみに薬を作ることだけはコノハは苦手である。いつでも失敗する。



 今回は全く気合いを入れず、「まぁ、こんなもんかなぁ~☆」って感じに悪乗りして作った。

 

 

 

 ……彼だけ二週間近く、メンバーに比べて遅く復帰してきたが、その理由を誰も尋ねなかったという………。



 以後、コノハが人に薬を渡そうとすると「それは市販かっ!?自作かっ!?市販ならどこで買ったっ!?」としつこく聞かれるようになった。

 それがかなり面倒だったので怪我人には治癒魔法をかけることにした。


 いや、最初からそうしろよ、と誰もが思ったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 




 

 (……あ、話が逸れた)

 

 話がだいぶ脱線していた。

 

 

 

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