表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/25

10 あの王様めぇぇぇー!!!!

ならコノハは怪しい二人の近くの屋根の上で気配を完全に隠して、観察していた。

 二人は男で、一人は青い髪と瞳。身長はこっちの方が高い。いや、もう一人の身長が低すぎるのだ。そのもう一人は緑の髪と瞳で、二人の服装はーーーー

 

 (………………はあ、やっぱあの王様腹黒だった)

 

 なんと、この国の騎士の姿だ。

 ご丁寧に剣まで下げて。

 面倒事の予感しかない。

 

 「先輩、これいつまでやるんですかね?」

 

 先に喋ったのは、長身(相手が低すぎてそう見えるだけ)の方である。

 

 (あ、君が後輩なのね)

 

 今さらながらどうでもいいことをコノハは考えていた。

 現実逃避である。

 

 「ノルヴィツ様から次の命令がくるまでだな」

 

 「あの有名な少女、コノハでしたっけ?あの子どうして見張るんですかねー」

 

 「知らん。大方、国外に出ないようにとかそんなところだろう」

 

 話題のコノハ本人がすぐそこにいるとも知らず会話している彼ら。

 コノハは嫌な予感があたり、ため息をつく。

 ノルヴィツとか言う奴がどんな奴かは知らないが、おそらく国の上の奴だろう。

 

 (……国が見張ってる、かぁ~)

 

 おそらく国側につけば自由は、平凡は、程遠い。

 

 (へ、平凡が遠くなるぅ~~)

 

 彼女が望んでいるのはあくまで平凡なのだ。

 平凡は面倒な事が起きないので。


 しばらく騎士の話に耳を傾けていたが、自分のこととは関係のないものになったので、音を立てず、そっとその場を離れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 (うーん)

 

 無事に家に戻ったコノハは今の状況を考えた。

 騎士が家を見張っている。それはつまり、国がコノハをどうにかしようとしているのだ。

 それは彼女にとって面倒事以外の何物でもない。

 

 「いやだぁ~~~!!!あの王様めぇぇぇ~!!!」

 

 面倒事は嫌いなのだ。

 のんびり過ごしたい。

 

 

 そして、決めた。

 

 

 「めんどい、逃げよう」

 

 

 少女の瞳はかつてないほどに強い光があったーーー。

 

 

 

 

 

 

 

 





 ーーーこれは面倒事を避けるために名声を捨てた少女の物語ーーー

 

 






 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ