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RGB~時計の針が止まる日は~  作者: 夏のカカシ
第三章
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第67話 やるべき事

 「言いたい事はそれだけか?」


「…」


「それで?結局、お前に何が出来る?アンジ、昨日、ヒトツキに全く歯が立たなかったお前に、何が出来るっていうんだ?」


「そっ、それは…」


 リョカさんに問われ、俺は言葉に詰まった。


 この人の言う通り、俺は昨日、何も出来なかった。


 そして、その結果…


「二人共、生きて帰って来れないぞ?それを分かってて、お前は、いや、お前達は言っているのか?」


 リョカさんが言っていることは、現実に起こりうる、いや、そうなる可能性が限り無く高い事実だった。


 力無い二人…


 生き残る可能性は、どう考えても皆無に等しかった。


 俺にも、リョカさんや、タイラさんみたいな力があれば…


 この人達みたいな…


「…分かりました。諦めます…」


 俺は、俯きながら、リョカさんにそう答えた。


「そうだな」


 リョカさんは頷きそう応じた。


「でも、」


 と、俺は顔を上げ、リョカさんの顔を見ながら、


「その代わり、お願いがあります」


「なんだ?言ってみろ」


「俺に…俺にヒトツキとの戦い方を教えて下さい」


「何だと?」


「昨日…俺は自分の無力さを嫌というほど見せつけられました。確かに今のままじゃ、…無意味です。行ったところで何も出来ません…。でも、きっと俺が戦い方を知っていれば、はなしは変わってくるはずです。だから、俺に戦い方を教えて下さい。お願いします」


 そう言って俺はリョカさんに頭を下げた。


「アンジ…」


 隣にいるトウジが、戸惑った表情を浮かべ、俺に声を掛けてきた。


 当然と言えば当然だが…


「ごめん、トウジ。だけど、これは、お前のお父さんを助けに行く為に、必要な事なんだ。今のままの俺じゃ…何も出来ない。それに、もしリョカさん達が一緒に来てくれたとしても、俺は、足手まといになるだけだ…だから」


「分かってるよ。アンジ。僕も、リョカさんとアンジの話しを聞いてて、そう思ったから。…僕達、何にも出来ないもんね」


 トウジは、そう俺に言った後、


「でもさ、抜け駆けはだめだよ」


 そういうと、おもむろにリョカさんに向かって頭を下げ、


「お願いします。僕も、…僕にも教えて下さい」


「お前達、本気か?」


 リョカさんが俺達に向かって問い掛ける。


「もちろんです」


 俺も、トウジもそう返事をした。


 今更だが、お互いを守るため、トウジの父親を助けるためにはそれが最優先にすべき事なんだと、俺達は改めて気付かされた。


「いいんじゃない?リョカ」


 今まで口を挟まなかったハクさんがそう言ってくれた。


「自分達に足りないこと、今やるべき事を彼らなりに考えた結果でしょ?それに」


 そういうと、ハクさんはリョカさんに、何やら耳打ちをした。


 すると、リョカさんは、納得したように、


「なるほどな、確かにそうかもな」


 と、頷きながら、声を漏らした。そして、


「分かった。良いだろう。アンジ、トウジ。お前達に教えてやる」


 俺達は、驚きながら、


「本当ですか!」


「ありがとうございます」


 と、声に出した。


「だが、条件がある」


「条件?」


「そうだ」


 そう言われ、俺とトウジは、顔を見合わせた後、


「なんですか?」


 そうリョカさんに尋ねた。


「いいか?まず、絶対に途中で投げ出すんじゃないぞ。それと、俺達が良いと言うまで戦いに参加するんじゃない。アカツキの夜に出歩くなんてもっての他だ。これを、お前達守れるか?」


「…守れます。俺、守ります」


「僕もです」


 と、俺達は、リョカさんに向かって答えた。


 それを聞いたリョカさんは、一呼吸おいて、


「約束だからな」


 そう念を押した。


 それに対し、俺達は、


「はい」


 と、返事をした。


「よし、じゃあ、アンジ、お前には俺とタイラで戦い方を教えてやる。トウジは、ハクに教えてもらうといい」


 そのリョカさんが発した言葉に驚いたのは、他でもない、タイラさんだった。


「俺も教えるのか?」


「当然だろ?乗り掛かった船だ。最後まで付き合えよ。それに、もう隊長じゃないんだから、時間もあるだろ?丁度良いじゃないか。お前の訓練にもなるぞ」


「それは…確かに…そうかも知れないが」


「だったら、決まりだな」


「…分かった」


 タイラさんは、しょうがないといった感じで頷き、そう答えた。


 そのやり取りを聞いていた俺は、驚きながらタイラさんに尋ねた。


「タイラさん…隊長辞めたんですか?」

 

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