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RGB~時計の針が止まる日は~  作者: 夏のカカシ
第三章
63/211

第63話 驚愕

  ~~再び園長の部屋~~


「大丈夫かい?君達?」


 一通り話し終えたハクさんが、俺達に尋ねた。


「…」


 もちろん、


『大丈夫です』


と、俺達は即答出来なかった。


 何故なら、ハクさんが話してくれた内容は、それほど俺達にとっては、衝撃的なことだった。


 過去から現在に至るまでの経緯を、ハクさんは、分かりやすく説明してくれた。


 カイエンとの戦いの話しに、俺達は興奮して聞き入っていた。


 自分達の親の凄さを改めて感じた。


 まあ、顔は分からないが…


 それでも、その偉大さはよくわかった。


 そう、この時まで、俺達は笑顔を交えながら聞いていた。


 だが、そこから先の話を聞くにつれ、俺達から、笑顔が消えた。


 もちろん、話していたハクさんからも、一緒にいたリョカさん、それに、園長からも。


 元々、園長は、ずっとうつむいていて、一度も顔を上げることがなかった。


 俺は、隣にいるトウジに言葉を掛けようとしたが、


「…」


 しかし、何も言えなかった。


 一体何と声を掛けたらいいのか、俺には分からなかった。


 トウジは、ただ呆然としていた。


 無理もない…


 彼には、俺以上に衝撃的な事実だったのだから。


 もし、俺がトウジの立場だったら…


 そう考えると、尚更声が掛けられなかった。


「…そっ、そういえば、カイナは?あいつ病気なんでしょ?」


 いい言葉が見つからなかった俺は、無理矢理話題を変えようとした。


 しかし、それは逆効果だったのかもしれない。


 ハクさんは、首を横に振りながら、


「いや、実は違うんだ」


 と、答えた。


「違うって、どういうことですか?ハクさん」


「…彼女も、被害者なんだ」


「被害者?なんのですか?………まさか」


「そう。ヒトツキのだよ」


 ハクさんの、その言葉に俺達は更にがく然とした。


「まさか…そんな…そんなことって…」


 俺は、なんて間の悪い事を聞いてしまったんだ。


 しかしながら、今更後悔しても仕方がなかった。


「お前達がいなくなった後、彼女もまた、ヒトツキに生気を吸われてしまったそうだ」


 リョカさんが、付け加えた。


「じゃあ、そのヒトツキは?そのヒトツキを倒せば、カイナは元に戻るんでしょ?」


 俺は昨夜のトウジ事を思い出した。


「確かにそうだ、が。彼女の場合は、状況が違う。何故なら、もう、夜が明けてしまっている。彼女が意識を取り戻さなかったということは、誰もそいつを倒せなかったということだ。つまり、そいつはもう、コウエンさんの所にいるってことだった。…それに」 


「それに、なんですか?」


「そいつはもう、ヒトツキではない」


「ヒトツキじゃない?」


 リョカさんの言ってる意味が分からなかった。


「そう、彼女の生気を吸ったヒトツキはヒトツキじゃなくなったんだ。…さっきの話の中に、『ヘイシ』って出てきたの覚えているかい?」


 ハクさんにそう聞かれ、俺は頷きながら、


「もちろんです」


 と、答えた。


「そのヘイシっていうのは、ヒトツキじゃないんだ。そして、もちろん人でもない。…あいつは、ヒトツキが進化したものなんだよ。見た目もほとんど人とかわりない。そして、時に狂暴な姿を見せる。その強さはヒトツキの比なんかじゃないんだ」


「ハクさん…まさか…」


「そのまさか、だよ。彼女の生気を吸ったヒトツキはそれになった」


「…」


 目の前が真っ暗になったよな気がした。


 そして、そんな俺に、ハクさんが、


「そいつは、ジンさんに向かって名乗ったそうだ。そいつの名は、…『ホウキ』」


 と、言った時、突然部屋の入り口の扉が開き、


「ホウキ…だと?」


 驚いた顔をして、扉を開けた人物が、部屋の中に向かってそう問い掛けた。


「なんだ、盗み聞きか?」


「まさか!いや、…そんなつもりはなかったんだが。その…部屋に入る機会を逃してしまって…そのままつい…申し訳ない」


「どこからだ?どの辺から聞いていた?」


「…彼らの生い立ちの話し、くらいから」


「おいおい、肝心なとこ、全部聞いてるじゃないか。…全く、盗み聞きなんて趣味が悪いぞ?隊長さんよ!」


「本当に申し訳ない」


 そう言って深々と頭を下げた人物。それは、アンジの目標とする人。


 シシカドのタイラ隊長に他ならなかった。

 

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