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RGB~時計の針が止まる日は~  作者: 夏のカカシ
第一章
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第23話 疑問

  「俺に、ですか?」


  「そうだ」


  アンジの質問にリョカは頷いた。


  「お前に、だよ」


  アンジには思い当たるところが一切なかった。


  今まで目の前で繰り広げられていた事の一部始終を見ていたのはタイラ隊長とこの人以外ではアンジしかいなかった。


 故に、この人がどれほど凄い人なのかも、もちろん知っていた。


 また、この人のお陰でトウジが助かったのは事実だ。


 そう、いわば命の恩人だった。


  答えない訳にはいかない。


 そう思ったアンジは、恐る恐る、


  「何でしょうか?」


  と、尋ねた。


  「そう怖がるなよ。別に取って食ったりする訳じゃないんだから。」


  怯えている様に見えたのかリョカはアンジにそう話しかけた。


  「で、お前。名前は?」


「ア、アンジです」


  「アンジか。…その子は?」


  「トウジです」


  「トウジか。あ、俺はリョカだ。よろしくな」


  「リョカ…さん。ですか。…リョカさん。トウジの事助けてくれて、ありがとうございました」


  アンジはトウジを抱き抱えたまま会釈をした。


  「あ、いいって。気にするな」


  と、言った後、アンジ達にだけ聞こえるように小声で、


  「それと、このことは内緒な」


  と、付け加えた。


  アンジは不思議に思いながらも、「はい」と答えた。


  「よし。じゃあ、本題に入ろう」


  リョカは一つ頷くと、話しを進めた。


  「お前達、歳は?」


  「俺もトウジも、14歳です」


  「14か…まだ若いな。で?何してたんだ?」


  「えっ?」


  「『えっ?』じゃないだろ、アンジ?何をしてたのか聞いているんだ」


  「…」


  「黙ってちゃわからないだろ?」


  リョカは怒っている様子ではなかった。


  「今日がどんな日かわかっていただろ?」


  「…」


  アンジは後ろめたさもあり、正直に答える事が出来なかった。


  「僕が…いけないんです」


  黙っているアンジの代わりに答えたのは、まだ横になっていたトウジだった。


  「僕がアンジを…誘ったんです。アカツキの夜に…外に出ようって。外に出ちゃいけない事も…わかってたのに。アンジは…悪くないんです…」


  「違う!」


  アンジはトウジの言葉を遮る。


  「外に出たのはトウジのせいじゃない!俺は、自分の意思でここにいるんだ!アカツキなんてたいしたことないって…何かあってもトウジの事くらい守ってやれるって思い込んで…結局…俺が助けられて…」


  アンジは先程までの事を思い出し、再び言葉に詰まった。


  「はい。そこまで」


  二人の会話を切ったのはリョカだった。


  「お互い自分を責め合うのは、もうよせ。もう済んだことだろ?」


  そう言われ二人は頷いた。


  「だったらいいじゃないか」


  二人は再度頷く。


  「じゃ、早く帰るんだ。家の人も心配してるだろ?」


  「…」


  そう言われた二人は黙ってうつむいた。


  「どうした?」


  不思議に思ったリョカが尋ねた。


  「…俺達、親、いないんです」


  「どういうことだ?」


  その言葉にリョカは驚いた。


  「二人共…か?」


  「…はい」


  「そうか。悪いこと聞いたな。すまない」


  そう言い、リョカは頭を下げた。


 それを見たアンジは、


  「いえ、気にしないで下さい。俺達、親はいないですけど、園長さんと、兄弟はたくさんいますから」


  「園長?」


  「はい。僕達『ガクエン』っていうところで他の孤児と一緒に生活しているんです」


  そう答えたのはトウジだった。


  「そうか…じゃあ…肝心な事は判らずじまいか…」


  そこまで聞いたリョカは独り言の様に呟き、考え込んだ。


  「何の事ですか?」


  その様子が気になりアンジが尋ねた。


  「いや……………そうだな」


 リョカはそこまで言い、数回頷いた後、話しを続けた。


「…本当はお前の父親に会って話しをしたかったんだが。しょうがない。アンジ」


  「はい」


  「これが本当の本題だ」


 そこまで言うとリョカはアンジの首元を指さし、問い掛けた。


  「そのアザはいつからある?」

 

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