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RGB~時計の針が止まる日は~  作者: 夏のカカシ
第一章
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第22話 使命

  「やはり俺達を助けてくれたのは隊長ではないですか!」


  「驚かせないで下さい、隊長。てっきりあの酔っ払いが俺達を助けてくれたのか、と一瞬思ってしまったではないですか」


  カイとリュウの二人は口々にそう言った。


  「いや違うんだ」


  と、タイラが否定しようとすると、


  「あんた達の隊長さんは謙虚だねぇ。その謙虚さ。見習わないと」


  またリョカが話しを遮ったのだった。


  「いい加減にしてくれリョカ!」


  事実を隠そうとするリョカにタイラは怒声をあげた。そして、


  「これ以上…俺をさらし者にしないでくれ」


  と、今度は悲痛な面持ちでリョカに訴えたのだった。


  「…何言ってるんだ?あんた一人で立派に立ち向かったじゃないか。あの化け物に。何度も言うが、俺は酔いを醒ます為に外に出て来ただけだ」


  「…」


  「それに、あんたはまだまだ強くなる。まぁ、酔っ払いが言っても、説得力が無いけどな」


  「…」


  「それじゃ、そろそろ部屋に戻るとしようかな」


  無言のままこちらを見てているタイラに向かってリョカはそういうと、部屋のある建物に向かって歩き出した。


  「…隊長。どういうことですか?」


  「あの男のことご存知なんですか?何者なんですか?」


  「…」


  二人の質問に対しても、タイラは無言のままだった。


 その様子を見て、カイとリュウの二人はお互いに顔を見合わせ、首を傾げた。


  「どうしたんですか隊長?さっきから変ですよ?」


  様子がおかしいタイラの事が心配になり、カイは問い掛けた。


 自分達が倒れている間に一体何があったのだろうか?


  「…」


  タイラはあくまで無言だった。


  「…とにかく、俺達も、あの子も無事で良かったですね」


  たまりかねたリュウが話題を変え、アンジ達の方を振り向いた。


 すると、今まで無言だったタイラがようやく口を開いた。


  「…ああ、そうだな。そうだったな」


  タイラは何かに気付いたようだった。


  落ち込んでいる場合ではなかった。


 今はまだやることがある。


 あのアカツキが出ている限り。


 ヒトツキ達は他にもいるはずだ。


 そしてそこには苦しんでいる人達がいるかもしれない。


 その人達を救う事は俺達シシカドの使命ではないか!


  「俺は…何を悩んでいるんだ」


  タイラは静かに呟く。


  たとえリョカには及ばなくとも、俺にも救える人達がいる。


 それを実行することこそ今、最優先すべきことではないか!


 タイラの目に力が戻る。


  「カイ!リュウ!移動するぞ。ヒトツキはまだ他にもいるはずだ。その前にあの子達を安全な場所え移す。それと、あの男の事だが、…すまない。また今度話す。とにかく今、優先すべきは他にある」


  いつもの口調でタイラはカイとリュウに指示を出した。それを受け、


  「はい」


  と、声を揃えて返事をした。


  「ではまず、あの子達を…」


  と、タイラが言いかけた時、


  「あっ!」


  と、大声を上げた人物がいた。


 三人は一斉に振り向く。


 そこには建物に入りかけて、足を止めたリョカがいた。


  「忘れるところだった」


  何事かを思い出した様子でこちらへ向き直る。


  「そうだった。そうだった」


  そう言いながらまた、建物とは違う方向へ歩きだしたのだった。


  「一体どうしたんだ?」


  不可解な行動をするリョカにタイラは問い掛けた。


  「いや、用事を思い出してね」


  「何をだ?」


  「いや、気にしないでくれ」


  そう言いながらタイラに向かって手を振った。


  「俺が用があるのは、あんたらじゃない」


「俺達じゃない?」


「ああそうだ」


  そう言いながら更に歩を進める。


 タイラ達はその行く先を見つめる。


「おい、そっちは…」


「そう、あんたらの会話で思い出したよ」


  リョカが歩くのを止めた。


  「…用があるのは。…お前だよ」


 立ち止まり、声を掛けた先にいたのは、生き返ったトウジを抱き抱えているアンジの前だった。


  「お前に聞きたい事がある」


「えっ?」


  突然の事にアンジは戸惑いを隠せなかった。

 

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