失望から希望へ
△+□=100
答えは100とわかっていれば
△も□も自由に変えることが出来ます。
これは人生でも同じことが言えますね。
夢が実現するために必要なもの。
△に何が入るのか?
□には何が入るのか?
それは自由に変えることが出来ます。
結末がわかっている小説も同じですよ。
稔君はどんな行動をするのか?
お父さんに相談するか?
相談するならメールで相談するのか?
それとも直接会って相談するのか?
結局お父さんの意見を聞かないで
会ったこともない人に相談する。
違った環境の人の意見を聞きたかった。
チョットした行動を変えるだけで
未来はどうにでも変えることが出来るんですね。
稔君はお金の素晴らしさはわかってる。
そのお金で人が苦しむのが心苦しい。
さて
そのモヤモヤはどうやって晴らすのか?
稔は日本の未来について
ネットサーフィンをやってみた。
多くの人は悲観的に
未来を見つめているようだった。
ある掲示板を見ていると
「ここまで膨らんだ借金は返せるはずないよ」
「収入以上に支出が多い政策はいつまでも変わらないです」
「政府のお金の使い方が悪いんだよ」
国の政策批判の書き込みが目立つことにうんざり。
稔の頭の中ではいろんな言葉が頭の中で駆け巡っていた。
「大人が未来を悲観的に思うんだったら子供が不安になるのは当たり前だよ」
「やはり借金が原因なんだろうか?」
「今の大人がこの社会を良くすることが出来ないのに未来の大人が良くする
ことなんか出来ないよ」
「じゃあ、日本の未来を良くするために何をすれば良いんだろう?」
と思い検索してみた。
日本企業が世界との競争で勝つこと、
経済的に豊かになること、
経済成長を続けること。
なんだか恐ろしい気持ちが湧いてきた。
「競争を続けないといけない」
「奪い合いに負けてはいけない」
知ってはいたけど生きるために必要なことだと思うと身震いがしてきた。
「だから子供のころから競争を教えてきたんだ」
「自分が勝つためには相手が負けること、相手が失敗することが良いことと
教わってきた」
「お父さんもそういう世界で働いているんだ」
お父さんのことが可哀想に思えてきた。
お父さんが僕たち家族を養うために
競争に負けないように戦っている。
稔は涙が込み上げてきた。
お金は人をしあわせにしてくれると思っていた。
人はお金を求めて競争をしている。
競争で勝てばしあわせになれるけど、
競争で負ければ・・・・。
稔はこの社会が怖くなってきた。
家のローンの借金は返すために努力しているけど、
国の借金は誰も考えようとはしない。
稔は借金より大人の社会に不安になっていた。
稔は
「大人も子供も夢や希望の持てる世界は出来ないの?」
と思った。
そう言えばお父さんから
こんなことを言われたことがあった。
それは
「お金がないと何も出来ないからお金は大切にしなきゃいけないよ」と。
「やっぱりお金は希望や夢を叶えるために
必要なんだ、だから経済を活性化させて
みんなにお金が行き届くようにしているんだ」
それでも
「お金がないと何も出来ないって変じゃない?」
という疑問も湧いてくる。
その疑問を
インターネットで検索してみた
「お金がないと何も出来ないって変じゃない?」と。
そうすると
「はっきり言って世の中は金です」
「お金があれば大抵の事が出来ると言えますよ」
「物々交換や善意のみでは生活できないよ」
「お金が安心や信頼をもたらしてくれます」
「お金(仕事)がないと結婚もできません」
なんと
お金の大切さを力説するコメントが多い。
すごかったのは
「人間は動物と違ってお金というものを使って
文明社会を作ったんですよ」と。
お金を使う人間の素晴らしさを強調していた。
人間が動物より優れているって学校で聞いたことはあるけど、
「本当にそうなの?」と言いたくなった。
それは
「地球をこんなに壊して住みにくい環境を作ったじゃないか」
「お金がないと何も出来ないなんてやっぱり変だよ」と。
稔は
「大人の人でも僕と同じように疑問を
持ってる人はいるんじゃないかな~?」
と期待しながらいろんな掲示板を捜し求めていると
「物々交換が無くなったらお金は無くなるよ」
というコメントが目に入った。
この世の中は
お金のおかげで物々交換から開放されて
便利な社会になったと教わってきたのに。
「物々交換が無くなったら」
と言うことは
「今の社会は物々交換の社会なの?」
と新たな疑問が湧いてきた。




