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世界平和の仕組み

世界中が世界平和を願っているのに世界平和が実現しない。その原因を考えたからってどうにもならないことは参加者はわかっていました。


どうにもならないことに知恵を出すことより何とかなることに知恵を出し合うことが良いと思ったのがもう一つの世界の提案でした。


もう一つの世界とは?

世界平和とお金のない世界です。

12歳の稔君が提案した世界ですが、「本当の世界平和とはなんなのか?」それを理解していないと「みんながやるべきこと」さえわからない状態でした。


世界中の人たちが平和に暮らせるために何が必要か?

一人で考えてもなかなか思いつかないものですが、多くの人が考えれば何かのヒントが出るかもしれない。

インターネットはそれを助けてくれる素晴らしいツールなんですね。


頭の中が混乱した状況の中で美佐枝がコメントした。


「お金のない世界は

世界平和とともに実現すると思うけど

稔君が言ったように

もう一つの世界を

イメージしてみませんか?」



「はい、僕が提案したことなのに

イメージがまだはっきり湧いていないです」



「まず世界が平和になったときの

イメージを書いてみませんか?」



「そうですね、

世界平和は今とどう違うのかを

知っておくのも良いですね」

栄治も平和な世界について知りたくなった。



インターネットは便利なもので

検索すればすぐわかる。

国語辞典で「平和」とは?


1、戦争もなく世の中が穏やかである

  こと(さま)。

2、争いや心配事もなく穏やかである

  こと(さま)。



「稔君、平和の意味はわかりましたか?」


「はい、なんとなくわかりました」


「では、世界中が平和になったら

どんな状態なのかをみんなで考えましょう」

と素子が提案した。



それぞれがブログで意見を聞いた内容や

自分たちが思いついたことを書き出した。



・生活に必要な衣食住が足りている。


・民族の文化や風習が守られている。


・すべての子供たちに教育が行き渡っている。


・水や空気がきれいである。


・生活用品の資源が

 完全循環型システムである。


・「人が喜ぶことをしよう」が教育の基本。


・支え合うために必要な教育をしている。


・働くことが楽しい社会。


・生まれて良かった生きていて

 良かったと思える。


・食べ物は健康に良いものしか作らない。


・エンジンからモーターの車に変わってる。


・発電はすべて害のない

 自然エネルギーで作る。


・世界中どこにも自由に安心して

 旅行が出来る。


・どんな製品もどこの国で作っても

 品質が高い。


・世界中が行ってみたい観光地になる。




そこで素子が

「まだまだあるみたいですが、

おもしろいコメントがあれば

また追加することにして、

世界中の人たちが

これらの生活が出来るために

何をどのようにしたら良いのかを

考えてみたいですね」



「それが一番大切なことかもしれませんね」



「国連で演説するための原稿を書いている

幸夫さんの支えにもなりそうですよ」

美佐枝と栄治がコメントを入れた。



「稔君も考えてみてね」


「はい、考えてみます」

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