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臆病な龍の少女03

どうして。

その言葉しか私には思いつかなかった。

「―――なんで」

私にはその言葉しか口にできない。

突然の出来事で嵐が過ぎた朝のように、私の心は落胆と責任で心を満たす。

なにがどうしてこうなったのか。自分を呪いたくなる。それは自業自得。わかっている。でも誰よりもことの重大さをわかっているつもりで

誰よりもこの責任を逃れたいのは私だ。

どうして私が炎龍帝という座についてしまったのか。何故私という矮小で臆病で小心者なドラゴンが龍という上位ドラゴンで自分より優れていて頭もよくて自身に溢れている

王たちが帝という座につかなかったのかわからない。

ああ、逃げたい。死にたいが死ぬ度胸もない。痛いのは嫌だ。争いも嫌だ。ドラゴン(わたしたち)が苦しんで死ぬ姿を見るのはもっと嫌だ。

その先の一歩を踏み込めない。怖いの。誰か助けて。私は普通に生きたい。もう、誰にもこの力を使いたくない。

でも逃げても絶対にまた見つかる。臆病な私はこの人里に慣れるまで随分と時間がかかった。移住したとしてももっと時間がかかるか最悪の場合馴染めなくて餓死するのは目に見えている。

「―――」

そうこう考えているうちに私の意識は遠のき、いつの間にか深い眠りに落ちていた。



小鳥の囀りのおかけで爽快な朝を迎えた―――。はずだった。

いつもは何も考えることがなく、背伸びをして、あくびをして、いつものなんでもない平凡な一日を送れると思っていたが私の家の扉の惨状をみてそんなことはとても思える状況ではなかった。

「木っ端微塵ってこういうことか」

その名前にふさわしい壊れっぷりで原型をとどめているのはかろうじて折れ曲がったドアノブぐらい。

「―――はあ」

ため息がでないほうがこの場合はおかしい。防衛すらできない扉だったもの。これでは雨風を凌げるただの防衛もできない穴倉のようなものだ。

せめて扉くらいは直してほしいものだ。だが、私は扉の作り方も知らないしこの穴にぴったりの扉を作ることなんて到底できない。

外界からシャットアウトできる扉がほしい。これでは野宿とあまり変わらないような気がする。なによりか弱い女の子が一人でこの家に住んでいること自体もう危ないことのようだ。

これで誰かが尋ねてきてみろ。私の心臓は口の中から飛び出るだろう―――

「ごめんくださーい」

「っ!!」

誰か来た。私は扉から後ろを向いていたため誰が尋ねてきたのかわからない。私の心拍数は今とんでもないことになっている。

「う―――」

「う?」

やばい、吐きそう。文字通り心臓が飛び出そうだ。

「うえぉえ``ぇぇぇぇぇぇ」


―――


「な、なんだ、あなただったのか」

あれから、心臓は飛び出なかった。出たのは少しの涎だけ。十分汚い。

ちなみに突然の来訪者は私の見知った人物だった。とてもびっくりした。

「大丈夫?」

とても心配してくれるこの優しい青年はロイ。私のよき理解者(自称トモダチ)。たまにこうして私のことを心配して来てくれる。

「それにしてもとてもびっくりしたよ。だって扉が気持ちいいくらい木っ端微塵に壊れているから」

気持ちのいいは余計だろう。私からすれば嵐が過ぎ去った日の大被害であり、修復不可能な案件なのだから。

「修理すればいいだろう。知り合いの大工でよければ紹介するよ」

ロイの申し出はありがたいが、必要なときの必要な分のお金を私は持っていない。つまり。

「金欠」

というやつだ。

「そうか、今税が上がっているから修理するだけでもお金結構取られるしね」

だったら提案しないでほしい。なるべくお金がかからない方向でいい案があるなら別だが。

「あなたは天然なの」

もう少し考えてから発言してほしいものだが、こっちの事情を彼は知らないのだから仕方がない。

「今日は何の用事?」

私は用件を問うが彼は笑ってこういった。

「友達の家には用がなければ来なければいけないのか」

「そうはいっていない」

本当は少しそう思っていることは口には出さない。

「と、とりあえず、スープ飲む?」

客に何ももてなさないのもどうかと思い、昨日食べ損ねたじゃがいもスープを出す。

「ありがとう。いただくよ」

コップの中につめたいスープを注いでロイに渡す。

「それで、今日は暇だろう?今日は僕が育った孤児院で小さなお祭りをやっていてね。それでどうだろう。一緒にいかないか」

「お、おまつり」

用途は様々であるが人が騒ぎ、労い、食べ物がいっぱいあって、踊ったりして過ごす一日だとミサおばさんに聞いたことがある。

「ひ、人がいっぱいなんでしょう」

想像しただけでもゾッとする。人が、人間の大人が大勢いて人攫いの危険や物を盗られたり、運が悪ければ殺されるリスクだってある。

「なんか変な想像していないか?いっただろ、小さな孤児院の祭りだ少しの屋台は出ているだろうがそれは孤児院が経営する屋台しかないから人はあまりこないはずだ」

「人がこない―――」

そんな素晴らしいお祭りがあるのだろうか。実は私は人間の祭りに参加したことがない。謝肉祭とかならよく参加するがそれはドラゴン(身内)での話だ。

怖いが、興味があるのも事実。

「ひ、人が極力いないなら」

その答えにロイは待ってましたといわんばかりに私の手を引っ張る。

「よし!では早速いこう」

彼はそれだけいうと私を半ば引きずるように目的の場所へと向かった。

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