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6.シンクノカミノオトメ

「ほほー良く見れば意外とイケメンだねえ」


真紅の短くまとめられた髪が映えるような綺麗に透き通った白い肌に、身長170センチの俺と同じか少し大きいくらいの身長、出るとこは出ているスレンダーなボディの見事なプロポーション。いきなり現れたこの女性に俺の目は釘付けとなった。


「おお、レイラじゃねーか。いつぶりだここに来んの。最近また色々と派手にやってるらしいな」


「あはは、んなことないってー」


そんなやりとりをしながらレイラと呼ばれたその女性は赤い瞳を通して、俺の顔をまじまじと見つめてくる。


「うん、やっぱりキミいいねー。タイプかも!」


冗談冗談と言わんばかりに笑いながらの言葉だが、全く嫌な気分にはならない。むしろ俺の顔がにやけてないか心配になるぐらいには嬉しい気分になった。


「んで、今日は何の用で来たんだ? ここには、おめえさんに任せなくちゃなんねーレベルの依頼は来ねえの知ってるだろ」


「いやー近くに用事あってさそのついでにね。それに、おやっさんの顔久しぶりに見たくなっちゃってね」


その言葉にバロックさんもまんざらでもないようだ。


「それでそれで! この子誰? 黒髪の冒険者なんてあんまいないし目立つから私が知らないはず無いんだけどなー」


バロックさんはちらりと俺の顔を見てどうしたもんかなといったように顎を撫でる。


「こいつはあれだ、俺の古い友人の息子でな。まだ冒険者の資格持ってねえから、これから学園に入るとこだ」


バロックさんの言葉から、冒険者にも資格が必要で、学校みたいな物もあるというこの世界の新たな情報を得た。


「なんだー、それじゃあ新人クンじゃなくて見習いクンってとこか。あっ、そうそう自己紹介しないとね」


「あたしは、レイラ・フォン・ロックハート。ながったらしい名前だから、レイラって呼んでね。でキミのお名前は? 」


「おうそうだ、おめえさんの名前聞いてなかったなそういやあ」



「あれ俺バロックさんにも言ってませんでしたっけ。「ナギサ」 って呼んでもらえれば大丈夫す」


ちなみに名字は言わないでおく。理由は特に無いけれど、強いて言うならば少し乙女チックで恥ずかしいからだ。


「ナギサクンかーなんか名前のニュアンスといい、その黒髪もどことなくシイナに似てるね」


シイナ? 確かバロックさんの言っていた選択者の一人と同じ名前だ。


「そういやあレイラはシイナのパーティーに一時期居たんだよな。あいつが今どこにいるかわかんねえか?」


「さあねー、十一月の霊園攻略のために潜ってるって話だけど、実際んとこはわかんないなー。あたしのランクじゃあそこはソロじゃ立ち入れないしね」


二人の今までの会話からこのレイラという女性は冒険者の中でもかなりの実力だということが読み取れた。そんな人が立ち入れないとはいったいどんな場所なのだろう。


「あのー、そのシイナって人が居る場所ってそんなに危険なんですか? 」


少し驚いた表情をしてレイラさんは答えた。


「危険も危険よ。あそこは今のファンタズムでも数少ない特級危険区域に指定されてるのよ。あたしは冒険者のランクとしては一応Aランクだけど、特級危険区域のソロでの自由な出入りが認められているのはSランクもしくはキセツの英雄だけだよ。これは冒険者になるなら常識だから覚えとかないとだめだよー」


レイラさんは少しいじわるそうな顔をしながら優しく教えてくれた。その顔もまた文句のつけようがなかった。

そして俺の考えを見透かしたようにバロックさんは言った。


「ナギサよーレイラはそんじょそこらにはいねえぐらい美人だ、それにこの若さでAランクの実力もあって九月解放の立役者の一人で、エンカーミドルの赤い薔薇なんて通り名もあるけどよ、もうひとつ本性知ってるやつらはこう呼んでるんだぜ? 」




「天上天下唯我独尊 傍若無人のレイラってな」



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