お互いに知られない想い
泣いていた女の子と遊びました。
引っ越しの日、一度でいいからあの公園の遊具で遊びたくて、公園に行く途中で会いました。
悪いことだとは思い解っていましたが、本当に一度でいいから遊びたくて、誰かと遊びたくて親に内緒で家を飛び出していました。
その時にその子に会いました。
幼いわたしは興味津々に声をかけました。
顔をよく覚えていませんが、強引にその子の手を引っ張り、公園にいたほかの子たちと遊び、その子も自然と笑顔になっていました。
だれかはわかりません。
名前も聞かなかったため解りませんし、引っ越したので、会いませんでした。
暗くなって帰る時間になり、ほかの子たちが足早に変える中でわたしたちは2人きりになり、その子は再び泣き始めてしまいました。
何で泣いているのかと聞くと、母が泣いて死んでいると言い、悪いことをしたと思いました。
自分と同じだと思っていたばかりに、幼いながら悪いことしたと思い後悔しました。
帰らないと行けず、頭をなでる程度しかできませんでした。
さよならは言いませんでした。
私自身悪いことをしているし、知ることもなく、泣きながらも笑顔で手を勢い良く振ってお別れをしていました。
お互いにまたねと言いました。
2度と会うことはありませんでした。
あれから、再び引っ越し、大人と自分の事情を理解して人には言えない秘密はたくさんありますが、戻ってきました。
また会えるなら、謝りたいです。
またしてごめんと、そして、駄目かもしれないけど、友達になってほしいと頼みたいです。
女の子と遊びました。
母の葬儀の後、悲しくてずっと泣いていました。
泣き続けるわたしに対して父は優しくしてくれましたが、それでもわたしは泣き止みませんでした。
ある日家に居続けるのは良くないと言われ、父は少し離れた場所にいるとも言い、強引にですが外出させられました。
荒療治や虐待と言えばそこまでですが、父も悲しんでいたと思われ、なんでもいいから、わたしを助けたかったゆえの奇行だったのだと思います。
そのときにその子に会いました。
心配そうに、不思議そうに声をかけてくれました。
顔はよく覚えていませんが、その子に遊ぼうと言われ手を引っ張られ、明るい笑顔に明るい声と笑い声、公園にいたほかの子たちにもあわせてつられて笑っていました。
だれかはわかりません。
名前も聞かなかったため解りませんし、その後探しましたが、似たような子はいませんでした。
暗くなって帰る時間になり、ほかの子たちが足早に変える中でわたしたちは2人きりになり、わたしは悲しくなってまた泣き出してしまいました。
泣く理由をたずね、母が死んだことを聞くと、ごめんと謝り、頭をなでてくれました。
少々背が高く、2,3歳ほど年上だったのかもしれません。
泣いているわたしを気遣ってくれたのかもしれません。
さよならは言いませんでした。
私自身のその場しのぎのわがままでしたが、知るよしもなく、笑顔で手を振って別れました。
お互いにまたねと言いました。
2度と会うことはありませんでした。
あれから、時がかなりたち、誰かも解りませんが、父も再婚し、あのことはほかの誰かも含めまだあまり話してませんが、新しい母とも仲良くしています。
また会えるなら、謝りたいです。
またしてごめんと、そして、駄目かもしれないけど、友達になってほしいと頼みたいです。