集合
俺は家から見える山の頂上部に来ていた。名前は……忘れた。そこには一人の少女と数人の少年が立っていた。
「お待たせ」
「もう、師匠!遅いですよ!」
「悪い。ちょっと野暮用でな。それで準備は良いか?」
「もちろんだよ!ねえ?皆」
この子たちは俺の弟子たちだ。現在進行形で、だけど。その中でも腕が立って尚且つ『白の眷属』の力を持つ子たちだ。
『最終元素』はその筆頭だ。神喰狼を宿す事の出来る候補者達。それが『白の眷属』の子供たちだ。
「私達の役割は?」
「俺的には市街地の安全は確保したいな。でも、それは俺個人の願望だから無視、かな」
「それじゃ、向かってくる者達全てを排除しろ。降参も認めるな。絶対に殺せ」
「イエス・マイロード。それ以外には?」
「出来れば市民は助けろ。戦争は戦う者達がいるべき場所であって、無力な市民はいるべきじゃない」
「分かりました。それでは」
「ああ、行って来い」
全員が散開した。さて、俺はこの人と闘うのかな?
「そこにいたんだ。ここで殺させてもらうよ」
「これはこれは『二桁数字』の五十嵐黒歌さんですか」
いきなり過ぎだろ。俺はあんまりこの人と戦った事が無いからな。えーと、何の神様だったっけ?
「我が下に神聖なる雷を。『神雷』」
「そうだ、確かあんたは……!」
頭の中でどの神様か探してようやく思い出した俺目がけて、数億ボルト級の雷が降ってきた。