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白銀の鎧と黄金の剣  作者: あかつきいろ
~異世界 龍殺し編~
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VS天空神

「二木さん、退院祝いに俺と勝負してくれませんか?」

「……もう一度入院する気かい?」

「今の俺の実力を知りたいんですよ。それに貴方は本気で向かって来てくれるでしょう?」

「……いいよ。どこでやるんだい?」

「ちょっと神界まで。いいですか?」

「構わないよ」

「それじゃあ、俺らはちょっと行ってくるから。楽しんでてくれ」


「何言ってるんですか?祝われる人がいる場所がパーティ会場なんですよ?皆行くに決まってるでしょう?」


 この人は一体何を言っているんだ?俺と二木さんの本気の勝負を見ているのに、無事で済む訳がないというのに。


「大丈夫でしょ?」

「……もういいです。ご自由にどうぞ」

「よし、皆二次会行くよ!」

「「「「おー!」」」」


 もう止めるのも面倒くさい。精々自分たちで何とかしてくれ。


 そう思って放置して、俺達は神界までちょっとした勝負をしに行った。ついた場所はでっかい広場。城宮君に術を教えたあの場所だ。あれから数日しか経ってないのに、めちゃくちゃ懐かしく感じる。


「それじゃあ、始めましょうか」

「そうだね」


「「完全同調(フル・シンクロ)」」


 俺は白銀の鎧を。二木さんは金色の布に金剛の鎌を。それぞれ持っていた。っていうか、あの呪文というか文言を唱えた時から鎧の形がさらに細く、鋭くなってきたような気がする。


 俺が走ると、そこには疾風が出来ていた。腕を薙ぐと、かまいたちが生まれた。まあ、それは鎌で薙ぎ払われたんだけど。


「ほう……。中々変わったものだな。君も」

「それはどうも。そろそろ動いたらどうです?あなたも」

「そうだね。そうさせてもらおうか」


 気づくと、俺の目の前に現れた。速い!?


「撃ち抜け。『神雷霆(ケラブノス)』」

「がはっ!?」


 馬鹿な!あの時よりも威力が上がっている!?


「あれは本当の雷じゃない。我が雷霆はもう一段階進化するけど……この勝負では使わない」

「俺をなめてるんですか?」

「そうじゃない。あれは自分でも制御しきれないからだ。さあ、続きを始めようじゃないか」


 大胆不敵に笑っていやがる。確かに今の俺じゃ、敵わないかもしれない。さてはて、こういう場合はどうするべきかな?


 それから、俺達の戦闘は平行線の一途をたどった。


 神の雷霆――――その強烈な一撃を解読しきるまでにとんでもなく時間がかかったからだ。はっきりいって始祖龍の知識は、龍の鱗の圧倒的な硬さから成り立っている物だった。


 つまり、神喰狼(フェンリル)の鎧は防御を犠牲にして速度を得ていることから大半が使えなかった。まったく役立たずにも程があるな。


「『神雷霆(ケラブノス)』」

「させるかっ!其は天より生ず氷結の盾!我が身を守れ!『フィルナスホール』!」


 俺は魔力で氷の盾を生み出し、それで一時的に防ごうとしたのだが氷の盾は――――現れなかった。


「馬鹿な!?グァアアッ!」

「……馬鹿だな。天の名を冠するという事は、我が手にその力があるという事なんだぞ?」


「さすがとしか言えないね。あの天空神さんは。本来チートの塊だけど、さ」


 天空神ゼウス。『一桁(ファースト)数字(ナンバー)』の力は伊達じゃないってか。これが世にも名高いギリシャ神話の中心に存在する神か……。


「だからこそ!貴方は面白いんだ!」

「これだけの劣勢でもそんな事を言えるお前の方が凄いがな」

「この戦いで熱くならないなんて嘘だぜ!?さあ、これからは本当のパーティーの始まりだ!」

「……?どういう意味だ?」

「こういう意味さ。神喰狼(フェンリル)が蓄えし、知識の総てをここにお見せしよう」


『其は神なる龍の一片なり』


 始祖龍というのは、かつての神喰狼(フェンリル)が滅ぼした龍の世界の生き残り。


『秘法を生み出し、繁栄を約束させし者よ』


 そして生きていた龍の総てを喰らい、その知識を自分の中に封印した。


『汝の力をその身に宿し、地に降り立つ』


 それが龍の世界でもたらされた文言を唱えた事で、解放された。


『汝が力を、思いを我が身にもたらせ』


 そこでは神龍という者が龍の世界の王だった。そしてその知識の一部を解放する。


神雷龍絶(グリーズ・デルフォート)


「これは……まずい!『神極雷霆(ケラブノス)』ッ!!」


 俺が放った白い雷と二木さんが放った黒い雷が正面でぶつかり合った。結果を先に言うと。相打ちだったんだ。でも、その後にはクレーターの様な物が出来ていた。


 そこで取り敢えず試合は終了した。え?何故かって?そりゃ、俺が魔力切れでぶっ倒れたからさ!うん、後でしこたま馬鹿にされました。ちくしょーっ!

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