再会
家に帰ると、二人が俺の腕に巻かれた包帯を見て怒鳴ってきた。
「一体何を考えてるんですか!?」
「そうだよ!一人で龍に挑むなんて無謀もいい所だよ!?」
「そんなに怒鳴らなくても……。いいじゃないか、別に。五体満足で帰ってきたんだから」
「それは結果の話でしょ?兄さん」
「そりゃそうだが……。それ言いだしたらきりが無くなるぞ」
「それでも、だよ。待っている身としては、そんな風に傷を負って帰ってこられると、心配になるんだよ」
二人が一緒になって頷いていた。そうはいってもなあ。こればっかりはどうしようもないし。
そう思っていると、タイミングが良いのか悪いのかインターホンからピンポーン、という間抜けな音が家に響き渡った。
俺が明美と一緒になって出ていくと、二木さんと三橋さんが立っていた。
「やあ、久しぶり」
「おひさ~。元気にしてた?」
「お二人とも、どうかしたんですか?」
「何か用が無きゃ来ちゃいけないのかい?単純に遊びに来ただけだ。取り敢えず家に入ってもいいかな?」
「ねえねえ、乾君。ちょっといいかな?」
「はい?なんでしょう?」
「片眼が金色になっているみたいだけど、どうしたの?それに、また神喰狼の気配が強くなってきたね。注意しなよ?」
「片目が金色になっているのはエクスカリバーと契約したからで、神喰狼の気配が強くなっているのは今日龍種を片付ける時に使ったからです」
「ふ~ん、まあ別に私は構わないんだけどね。ま、せいぜい二人を悲しませないようにしなよ。君がいなくって悲しむのは君じゃない。残された彼女たちなんだから」
「……はい。分かっています」
「そう。それならいいんだ。ほら、早く行こうよ」
そう言いつつ、三橋さんは早歩きで廊下を歩いて行った。俺は静かにその後を追った。