支部にて
俺は今フェンリルの東京支部に久しぶりに来ている訳なんだが。
「おいおい、無視すんなよ。俺達の仲だろ?」
「どうして貴様のような、馬鹿がここにいるんだ?」
「ちょ、おま、馬鹿とはなんだ!馬鹿とは!」
「お前を馬鹿と言わずに何と形容するんだ?アスラ」
そう、この間白竜様と俺に向かって喧嘩を売っていたあの馬鹿だ。なんかこの間会った時は知的な感じを気取ってはいたものの、その本質はただの戦闘マニアの馬鹿だ。
「それで?お前は俺に何の用だ?俺はこれから依頼を受けに行くんだが」
「それに俺も混ぜてくれないか?」
「黙ってろ。そんなに野垂れ死にたいなら、俺が今すぐ殺してやるぞ。安心しろ。お前の魂ぐらいは輪廻の輪に戻してやるから。ま、戦闘馬鹿から戦闘を抜けばただの馬鹿になるだけだけどな」
「こいつは……!」
「その辺にしてもらえないかしら?」
「……そうだな。悪かった」
「すまん。って、おい!待てよ!」
俺はアスラを置いていき、とある機械の前に立ちカードを通した。それは俺がフェンリルに所属する上で、必要な身分証明書のような物だ。
どうやら「滅び」を経験したことで、ギルドランクがSSランクにまで上がっていた。それに称号に『黄金の騎士王』という称号が付いていた。ちなみに全部紹介するとこんな感じだ。
名前:乾 慎也 年齢20 性別:男 ギルドランク:SS
得意武器:拳闘・剣術・魔術
称号:白銀の神狼、黄金の騎士王、『滅び』を乗り越えた者、千葉流双剣術継承者
とまあ、ざっとこんな感じだ。とはいえ、俺にとってはどうでもいいんだけどな。しかしこれで最高SSランクの依頼も解禁か。とはいえ、受けられるかどうかもあやしいが。
「……リーダーってつくづく思うけどすさまじいよね。ちょっと顔を合わせない間にこんなにランク上がってるし」
「それに『滅び』を経験してきたみたいだぞ。つくづくおかしいよな」
「口々に何をいっとるんだ。お前らは」
俺の後ろには、俺のチームの一員である六道卓也と黒市月下が立っていた。久しぶりだなあ。
久しぶりの登場です。そろそろ出さないと忘れられそうな気がしたので(笑)。
それでは。