家族の談話
「あれ?ここは?」
俺は研究室のソファで寝かせて、俺は資料を読んでいたんだがどうやら起きたようだ。
「起きたか。具合はどうだ?」
「あ、兄さん。ちょっと気分が悪い以外は何もないよ」
「それならよかった。ほい、ちょっと冷めちまってるが紅茶だ」
「あ、ありがとう。……ところで兄さん。最後に使ったあの技は何?」
「ああ、あれか。あれは震脚の要領で作った技なんだがな。そうだな『空震』ってところかな?」
「鎧通しじゃないから何かと思ったら、新技?全くあきれちゃうわね」
声は軽いけどな。こうして明美と試合をするのは、正月以来だ。丁度今は五月。大体四カ月ぶりってところか。……あんまり時間経ってないな。
しかし千葉家に預けたのは間違いじゃなかったか。ここまで育つとはな。あそこは政治にあまり興味が無い。番外と呼んでいるのも外部だけで、あそこの本来の呼び名は『天皇剣』だしな。
「お前こそなんだ?あの技は。柄尻と魔力によって連結されてるところはわかったんだが……」
「大体それで正解だよ。あとは私の技量の問題になる、って言われたしね。まあ、兄さんの鎧姿も見れたし、これはこれで満足だけどね」
「そうかい。お前に鎧姿を見られる日が来るとはな。これも時の流れってものなのか」
「兄さん、ちょっと爺くさいよ。そんなこと言ってると禿げるよ?」
「禿げねえよ!全く失礼な奴だな。それでもお前は強くなったよ。母さんだって誇らしく思ってるさ」
「……ほんとにそう思う?」
「思うよ。俺が母さんや父さんの事で、嘘なんかつく訳無いだろ。お前は誇っていいんだよ」
「……うん」
そういうと、明美は静かに泣き始めた。俺は隣に座って静かに頭をなでた。すると声を上げて泣き始めた。それでも俺は静かに撫で続けた。
◆◆◆
「ありがとう、兄さん。いま思い出したけど、私今度のトーナメントに出るんだ。よかったら見に来てね」
「それ、俺も出る事になった。とある依頼でな」
「それじゃあ、もしかしたら予選で当たるかもしれないね」
「いや、それはない。支部長推薦で予選突破のシード状態から始まるらしい」
「ええー。なんかずるーい。それ誰からの依頼なの?」
「さすがにそれは言えないな。まあ、お前の試合は応援してやるから。頑張って本戦まで残れよ」
「ぶうー。分かってるよ。兄さんも本戦で負けないようにね!」
「俺が負ける訳無いだろ。優勝者にはエキシビションマッチの権利が得られるらしいからな」
「エキシビションマッチって……やっぱり一桁数字の?」
「そりゃそうだ。俺がそれ以外で燃える訳無いだろ?」
「ああ、そりゃそうだね。やっぱり本命は一花さん狙い?」
「あの人ほど強いのはそう多くいないしな。当面やっぱり一花さんかな」
「ふーん。まあ頑張って。それじゃあお先に。おやすみ」
「ああ、おやすみ。お前明日学校だっけ。それじゃあ朝食用意しといてやるよ」
わーい、とか喜びながらゲートを開いて帰っていた。俺はこの後、日付が変わるまで研究室にこもって魔術の研究をした後、自分の部屋に戻って寝た。ちょっと二木さんを蹴ってしまった事は秘密だ。
今日はこれで終わりですが面白かったらいいな、と思います。それではまた明日も頑張っていきましょう!僕も頑張ろうと思いますので。では!(>_<)/