世界は始まりを奏でる
取り敢えず始めてみました。プロローグは意味不明かもしれませんが、どうかご容赦ください。
ある陽気な日に仕事場をのぞいてみると、支部長に呼ばれているということなので俺こと、乾慎也は通路を歩いていた。
≪神にはむかう者達≫(ここからはフェンリルとする)は、本来各地で勃発する犯罪とかに駆り出されている。ま、ぶっちゃけ警察の裏組織的な?そんな感じだ。
だから支部長に呼ばれるなんてことはめったにない。仕事をさぼっていない限りは。
コンコン――――
「乾です。支部長、入室してもよろしいですか?」
「構わんよ。早く入りたまえ」
自分で呼び出して、何言ってんだ?あの爺は。もう年なんだから退職なりなんなりすりゃいいのに。もちろんそんなこと一切口には出さなかったが
「失礼します。それで支部長、どんな……御用……でしょう…か…?」
後半とぎれとぎれになったのは、綺麗で可愛らしい女性がソファに座っていたからだ。あれ?おかしいな。幻?そんなわけないか。紅茶飲んでるし。その女性の髪は黒色だが、その眼の色は黒ではなく、金色だった。ハーフってやつかな?
「支部長。娘さん……いや、お孫さんですか?」
それならまだぎりぎりわかる。というか、それ以外に何があるんだ?
「何故そこで依頼者という考えが出んのだ?孫が来ておるなら、おぬしなんぞ呼ばんわ」
「やかましいぞ、クソ爺。文句があるなら、俺はほかの任務を受けるだけだからな」
うわ、しまった。つい癖でいつもの調子が出てしまった。俺が呼び出されるときは、たいてい普通の話し合いにならない。なんせ位の違いなんぞ関係なしで悪態つくからな。俺が女性の方に視線を向けてみると、顔をそむけて笑いを堪えていた。そんなに面白いか?
「真由美君、そんなに笑わんでもいいじゃろうに。わし、今すごく傷ついとるぞ」
「申し訳ありません。あまりに二人のやり取りが自然すぎて。……くっ」
まだ笑ってるよ。さすがに受けすぎじゃねえ?
「爺、あんたに繊細な心なんかあるわけないだろ。ついこの間呼ばれたときだって、あんた確かギャルゲ……」
「あー、あー聞こえない聞こえない。何のことかわしゃ知らんぞ」
ナチュラルに否定しやがったよ、この爺。ま、そりゃどうでもいいんだが。それよりも大切なことがあるしな。
「それで?俺に依頼って何なんだよ。別に俺じゃなくたって頼めるやつはいくらでもいるだろ?」
俺は支部長の隣のイスに座りつつ訊いた。
「おお、良く訊いてくれた。だが、その前に自己紹介といこう。
乾。こちらの女性は組織のとある役職に就いている、神崎真由美君だ。
真由美君。このいけすかない男は、組織でもSランカーの腕利きの男じゃ。安心してくれ」
「そうですか。それでは改めてはじめまして、神崎真由美と申します」
「こちらこそはじめまして。乾慎也です。どんな依頼にしろ、よろしくお願いします」
「あら、受けないという選択肢はないんですね。期待できそうです」
「どんな物であれ、とにかくやり抜く。それが俺のポリシーですので。それで爺、依頼って何なんだ?そんな風に固まってないで教えてくれよ」
爺はなんかしらんがソファで丸まっていた。気持ち悪っ。
「こほん。依頼というのは、彼女、真由美君の警護をしてほしい、という事なんじゃ」
「は?」
おおっと、何か分からんが不吉な空気が漂ってきたな。どうしようかな?
第二話、出してみました。今のところ読まれておられる方はいらっしゃらないようですが、頑張りたいのでよろしくお願いします!