結末
「いや、あの技を放ったせいでその日は動けないし『滅び』の日には放てなくなるわ。大変だったな」
「あんな技を放たれても凄い困るし。何あの技。お爺さんの技も凄かったって言うのもあるんだろうけど、あれがちょっと逸れただけで向こうにあった山が粉々に砕け散ったよ?」
『神葬槍』と『神剣』が接触したら、もう対消滅みたいな感じになったしそれを危惧して両方が先を逸らすと、向こうにあった山がもう『無』になった。
しかも両方とも闘氣とか魔力とか、色々な物を消費しすぎた所為で両方ともそれ以上の闘いは不可能になった。
まあ、他の人達がさすがに止めに入っただろうけど。あの爺さんは、それでも立っていたからな。まあ、俺の負けってところだろう。
「それでも両方とも凄かったよ」
「まあ、あの爺さんだからな」
「いや、あんたも大概だから……」
「いや、あの爺さんに勝てないようじゃ駄目なんだよ。あの爺さんの力はさすがにもう衰えの一歩を歩み始めているしな」
「……あれで?」
「そりゃそうだろ。あの爺さんの歳は知っているだろう?」
「まあ、確かに……」
確かに今でもとんでも無く強いけど、それでも数年前よりは弱くなっている。俺があの爺と、引き分けに出来るほどなんだからな。
「乾家の御爺さんも大概でしたけどね……」
「そうか?あの人は良い人だぞ?」
「いや、確かにいい人だけど……」
「何が問題なんだ?」
「偶にちょっと怖い。それに、魔術を話している時の表情が生き生きとし過ぎていて怖い」
「お前ら……」
それはちょっとひどい。それとも俺が慣れ過ぎているだけなのかな?あの爺さんも思い出したんだし、あの人の事も思い返してみるか。




