圧倒的な闘い
「ふん、その剣技。母親譲りか」
「……ああ、そうだよ。それがどうした?」
「別に。ただ感じたままを述べただけだ」
「なら、攻撃してくんじゃねえよ!」
喋りながら攻撃してくる。しかもめちゃくちゃ強い。何とか凌いでいるものの、このままじゃやられる。こうなったら一か八か……やってみるか。
トンッ。と音が響いた。俺は視線を下にずらすと、柄尻が俺の胸に当たっていた。そしてとんでもない衝撃が響いた。
「がはっ!」
「心技・心鉄の響き」
心鉄の響きというのは、この爺が創りだした剣技の一つ。衝撃を相手の体内に乱反射させて蓄積させ、そして限界まで至った時その衝撃の集合体が相手に作用させる。
その音の軽快さの割に、与えられるダメージが半端じゃ無い。だが、これは筋肉を硬くしている所為でリラックスしているような状態なら衝撃は拡散される。
「なんて技を使うんだよ……。これ喰らったらしばらく動けないんだぞ!」
「分かっている。正月で緩んだ心を締め直してやっただけだ」
「やり方がひどすぎだろ!」
「気にするな」
このクソ爺は……!俺が動けなくなっている状態で、二人と模擬戦を行っていた。二人ともぶっ飛ばされていた。
「まだまだ若いもんはいかんな。弱過ぎる」
あんたと一緒にするな……!そう言いたくてたまらなかったが、口すら動けない位に疲弊していた。凄い疲れる。
「早めに戻ってこいよ」
そう言うなら、とっとと俺達を治療しろ!
それで、俺達は数十分の間立てずに倒れていた。あんまり帰りが遅いので、俺達を探しに来てくれた花蓮と真由美が俺達を見つけて悲鳴をあげていた。