表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白銀の鎧と黄金の剣  作者: あかつきいろ
~過去語り編~
124/137

神殺し

「でも、『神』はどうして異世界なんて創ったの?」

「創ったんじゃない。勝手にできたんだ。因果という『神』にすら操れない物によってな」

「……どういう事?」


「異世界というのは『原初(オリジナル)』の世界から別れた物だってこと。なんだかんだと言っても、神は万能じゃないってことさ」


「それ、問題じゃない?」

「これが問題じゃないなら、他に何が問題なんだ?」


 ぶっちゃけた話、世界で起きている紛争だとか自然環境の崩壊とかは『奇跡』を使えば、どうとでもなる。一瞬で回復、終了だ。


「さあね?でも……」

「『神』はそんな些事は他の者に回すのさ。そして世界は『神』の知覚外へ移行しようとしている。完全に『神』の手から離れた時、俺は奴を喰らう」

「神殺しの任を担うっていうの!?」

「これは俺の意志さ。高みに立つ馬鹿を俺が殺す。この話は姉貴を除けば俺しか知らない。ま、まだあいつには届かないだろうが。もっともっと高みへ俺は行く」


「それが、貴方のしたい事なんですか?」


「そうだよ。何時だって俺は、俺のしたいようにしてきた。今回もその一環さ」


 現段階では俺には『神』に抗しうる術が無い。相手は万能と謳われる存在。しかもそのすぐ傍には、聖書で言う熾天使と呼べるほどの『観測者』が存在する。


 アーチノイズが言うには、全員が忠誠を誓っている訳ではないようだが。それでも数百、或いは数千年の時を生きているんだ。簡単な相手ではない。


 それでも、今は必要な準備段階の時。こんな初歩の初歩みたいな場所でけっ躓いている場合ではない。もっと大きな物を相手にしなきゃいけないんだから。


「……分かった。でも、たまには顔を見せてよ?」

「出来れば、な。でも、可能な限りそうするよ。といっても、俺は歳を取らなくなるみたいだけど」

「ええ!?何それ!ずるい!」


 こんな他愛もない無駄話を出来るのも今だけなのだと思うと、結構心が苦しい。そう思わざるを得ない一瞬だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ