治療
割と短め
「面倒な事はさせないで頂きたい物ですね」
「申し訳ありません……。こちらの不手際の所為で」
「……はあ。もういいです。とりあえず、俺を現在の患者の所に案内して下さい」
俺は少し真祖達と話をした後に、フレンと共にこの町で一番大きい病院に向かった。そこにはこの町にいる吸血鬼全員がいる病室を回った。
「これは……ひどいですね」
「ええ。そうですよね……。それでは、お願いします」
「分かりました」
「全てを零へ誘え――――最終元素――――」
俺は右手から白の波動を流し、全ての人に潜む病原菌を全滅させた。全ての人の治療が完了すると、俺はその場を去った。
少数ながらも、こちらを見ていたからだ。いくら病原菌が全滅したと言っても、やはりまだ病人なんだ。急に動くべきじゃない。
「いいのですか?」
「別に構いません。俺は疲れたんで休みたいだけです」
「……そういう事にしておきましょう」
「ちゃんとワクチンは作って下さいよ?彼らは対抗が出来た訳ではないのだから」
「分かっています。……ありがとうございました」
「いえいえ。お気になさらず」
俺はさっさと病院を出て、ホテルを探した。その後テレビを見たら、急に集団で病気が治った事に関してニュースが流れていた。
自分でやったことながら、夢物語の様だなと思った。