表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白銀の鎧と黄金の剣  作者: あかつきいろ
~『滅び』編~
108/137

願いの為に

「慎也、あんたの実力はそんな物なの?」


 あれから姉さんに勝負を挑んだけど……やっべえ。あれからはもう別格とも言えるほどに強くなってるわ。俺はいろんな所を斬られていた。


「まあ、疲れ切ってるからな。こんな伏兵がいるとは思わんだろ」

「この世にはどんな事でもあり得る。だから注意を払っておきなさいって昔言ったわよね?」

「確かに。まあ、俺はどんな事をしてでも勝たなきゃならないんだが」


「……あんたはそういう所は全然変わらないわね。その絶対に折れそうにない意志。それは何年経っても変わらないのね」


「それが俺だからね」

「そうね。……でも動くのはよしなさい。あんた、出血多量で死ぬわよ?」

「死にゃあしない。俺はここで死ぬような人間じゃねえよ。それに、俺はもう半分以上人間じゃ無い。出血多量なんかじゃ死なないのさ」

「……まったく厄介ね。偽りとはいえ『神』の力という物は」


 何故姉さんがこの世界の神の力を偽りと呼ぶのかは……なんとなくわかると思う。各世界の神の存在は『観測者』が代理をしている訳だけど。


 そもそも異世界というのは、『最初の世界』から分岐した並行世界の事を指す。俺達の存在はどの世界にも存在する。どのような選択をしたかによって、未来は変わる。


 その分岐によって発生した未来。それが今あるこの世界の事だ。それでも、その別れた世界の俺は俺だから、俺が見に行く事は出来ない。


 だからこそ、その『因果律』によってがんじがらめに縛られている『今』を脱却しさまざまな世界を俺は知りたい。その代償がもう家族とふれあえない事だとしても……。


「それなら、その存在を殺すだけよ」

「もはや殺すですか……」

「あんたをこの『契約』から抜くためには、もはやあんたを殺すしかない」

「それは、そうかもね。まだ弱い俺を殺す事は出来ても、アーチノイズは限りなく最上位に近い上位の『観測者』。殺す事は出来ない」


『だが、こやつを殺させる訳にはいかんな』


「今のは……?」

神喰狼(フェンリル)?一体何を……」

『すまぬが体を借りるぞ。我が半身よ』

「ぐがっ!?」


 何だ……?だんだん、俺の意識が遠く……。そこまで認識したところで、俺は気絶した。


『すまんが倒れてもらうぞ?小娘』

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ