話し合い
「……今のは、なに?」
「神喰狼は自分を宿す事の出来る者を探すために、色々な者に宿った。そして一度宿った者に、後で宿るであろう本来の契約者――――つまりは俺なんだが。
その者の役に立つために、自分の持っていた白の力を宿った者に与えた。そして、その力は成長すれば、その者の限界容量まで成熟する。
そして今、それを返してもらった、って訳だ。他に質問はあるか?」
「戻ってきた力は?」
「俺のに戻ってきた力は『最終元素』を筆頭に『原初白炎』・『創星光』・『白風災禍』・『地災崩花』・『水絶鏡花』。この六つだ」
「割と少ない……というべき?」
「少ないかもしれんが、この力はあいつらの中で最大限まで成熟してきた物だ。そう易々と負けはしない。たとえ、『ニーベルングの指輪』を持っているお前でもな」
オーディンが所有していた自分の能力を上昇させる指輪。それが『ニーベルングの指輪』だ。オペラとかにもなっているから、有名ではあるんだが。
とはいえ、俺もあまりオペラとかには興味なかったから、俺も全然見ちゃいなかったんだがな。精々真由美とか花蓮に引っ張られて、何回かがせいぜいだ。
「……それは楽しみ」
「おう、楽しみにしてな。それじゃ」
「「始めよう」」
俺は大地をかけ始め、花蓮は槍を創りだした。今ここに、闘いが幕を開ける。




