#2 王都へ
ユニークスキル"透明化"
このスキルは自分や自分が触れているアイテム、またはキャラ
を透明化することができる。
また、このスキルの所持者は他のスキルを所持できない...
難儀なスキルを手に入れたもんだ。
自分や他のモノを透明化させてなんになるってんだよ!
異世界転生っつったら、もっとこう分かりやすいチートスキルを授かるもんだろうがよ!
と内心ツッコミながら女の後について行く。
「もうすぐ王都だから」
顔をあげると、大きな街が顔を覗いた。
「王都の入場門付近には身分確認のための衛兵がいるけど、まぁ私がついてれば大丈夫でしょ」
ニッと笑みを浮かべる彼女の顔はまるで悪戯好きな幼子のようだった。
「そういえばアナタの名前、聞きそびれてたわ」
「なんていうの?」
赤い瞳で見つめられ、俺は思わずドキッとしてしてしまう。
「颯太だ...荒井 颯太」
「ハヤタね。アライハヤタ、変わった名前ね」
俺は、そうか?と曖昧に流す。転生者であることがバレれば、何かと面倒だと考えたからだ。
「私はね、ヒューバート・ブレイン・ウルフシュレーゲルスタインハウゼンベルガードルフ・シニアよ」
ひゅーばーと、ぶれ...なんだって?
「長いでしょ?だから家族や友達なんかは私のことはシニアって呼んでるわ」
でもね、とシニアは続ける。
「王都の正式名称は、クルンテープ・マハナコーン・アモーンラッタナコーシン・マヒンタラー・アユッタヤー・マハーディロッカポップ・ノッパラッタ・ラーチャタニブリーロム・ウドムラチャニウェートマハーサターン・アモーンピマーン・アワターンサティット・サッカタット・ティヤウィサヌカムプラシットなんだよ」
ってそれバンコクの正式名称じゃねぇか!
社会の授業が好きな甲斐あって、バンコクの正式名称は何故か完璧に覚えていた。それにしてもこんな偶然あるんだな...
「略してバーン王国」
おい!というツッコミをぐっと飲みこむ。
「着いたわ。」
そんなことを話しているうちに、俺たちは王都に到着していた。シニアが衛兵に身分書の提示を求められている。
しかしすぐに衛兵は
「おっ、お嬢様でしたか...どうぞお通りください。」
と言ってシニアを通した。お嬢様?一体全体どういうことだ?
考えていると憲兵に止められた。
「身分書の提示、またはギルドカードの提示を」
「あー...その子はワケあって身分書がないの。私のお客さんだから通してあげて」
その一言で衛兵は退いた。何者なんだ?コイツ...
「さっ、着いてきて」
言われるがまま、彼女の跡を着いて行った。
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