登場人物紹介
何故か本文の総量よりも長い登場人物紹介です。
・レイコ
世界に唯一人の“聖女”。トイレの女神ウォッシュレーテを信仰する聖職者でもある。
生まれながら“聖女”の職業であった訳ではなく、聖女となったのは10歳の頃。
それまでは普通の金満成り上がり子爵の令嬢としてエステブルク学園初等部の学生をしていた。
聖女となってからは神殿に引き取られて育つ。
初めから神殿にいた訳ではなく、両親も権力者欲旺盛な元商人であり、それが元で貴族の通う学園では馴染めていなかのでどこにも忠誠心を向けていない。
権力者達のことはかなり冷やかな目で見ている。
尚、流れとしては聖女となったが為にトイレに行く時間が取れなくなり、トイレ教信者になったのではなく、元々便秘と下痢のハイブリッドな体質であった為、元々流水教に入信していた。
そしてあまりに危機的な状況(トイレ的に)を何度も乗り越えた結果、悟りを得て“聖女”にまで至ってしまいトイレから何故か遠ざかってしまった悲劇の少女。
特技は聖女っぽい演技。
頭の中がトイレの事で一杯でも、全自動で聖女に相応しい解答が出来る。
元々戦闘からは程遠い貴族の御令嬢であり、聖女となってからは神殿に囲われていたのでこれまで戦闘経験は皆無だった。
その代わり、聖女として治療等の奇跡を振りまいていたので〈聖属性魔法〉や〈光属性魔法〉、〈神聖魔法〉のスキルレベルは高く、それに伴って聖女行為が聖女のジョブの経験値となるのでジョブレベルもそこそこ高い。
それだけでは正規の騎士を瞬殺するのは難しいが、トイレの悟りである“流水境地”とその先の“流水極致”まで悟っているので圧倒的な力を有するに至っている。
今章ではその力を使って2万軍勢も軽く殲滅した。
度重なる戦闘によって莫大な経験値を稼いだ為に、現時点ではそこから更に数倍の力を有している。
何故か、世界の危機に登場した聖女の同年齢の時と比べて圧倒的に強い。
・シフォン
元ジルエスタ領主シフォンティーヌ・ヴァン・ジルエスタ。レイコの元クラスメイトで親友。
ジルエスタ伯爵の庶子として生まれたが、跡取り候補が相次いで亡くなった為にジルエスタ伯爵位を若くして継ぐことになった。
庶子であり学園にいた頃は後継者でも無かった為に馴染めず、同じく馴染めずにいたレイコと友達になった。
レイコが神殿になり囲われた事で疎遠になってしまい、加えて時期領主として領で仕事を学ぶ必要が出た為、友とは無縁の生活になってしまった。
しかしそれ故にレイコとの思い出を大切にしていたレイコの親友。
庶子として疎まれて育ったが、アラガミーアの口より実は庶子ではなく末子であると明かれる。
秘密結社ベルゼブブに侵食された中で、全ては彼女を守る為の嘘だったと知りその愛情に涙した。
そして家族を殺したベルゼブブを恨むも、家族が命懸けで守って来たジルエスタ領を人質にされてはなにも出来ず、言いなりとなり親友を殺す選択までしてしまう。
レイコにその事を許され、そしてレイコにジルエスタの未来を託した。
大悪魔が解放された際には母から昔聞かされた昔話の神剣の存在を思い出し、それによって悪魔召喚の術式を身を挺して破壊する。
その対価に自らの魂を捧げ、死ぬ筈だったか間一髪でレイコに助けられた。
ジルエスタ領の民達は彼女が幼い頃から献身的に領を思い働き続けて来たのを知っており、慕っている。
それは大悪魔の騒動後も変わらず、彼女が大悪魔出現の責任を取らされそうになった折には領民一丸となって彼女を排除するフリをして彼女が寝ていた神殿を燃やし、彼女の死を偽装した。
その後は、贖罪では無く恩を返すためレイコの旅に同行する事に決めた。
・スレイ
元ガレッジフォール伯爵嫡子スレイン・ヴァン・ガレッジフォール。その首を狙われる賞金首。
ガレッジフォール伯爵がエステブルクに対して謀反を起こした為、戦犯として指名手配されている。
何も知らなかった訳ではなく計画をガッツリ知っていた。
勝ち組に乗ったと確信していたが、レイコの前に惨敗。
もう逆転は無いと確信して誰よりも早く逃げた。
一方で自分だけで逃げても逃げ切る事は不可能だと判断し、国家ではない第三勢力のレイコに縋り付こうとチャンスを待っていた。
保身能力が異様に高い。
特技は土下座や靴舐め。
年齢はレイコ達の三つ上。
しかしこの経緯もあって二人には徹底的に謙る。
強いものには弱く出て、弱いものには強く出る貴族の中の貴族。
レイコ達にとって敵対側の組んでもなんの利も無い足手まといだが、レイコにう●この才能があると見抜かれ、流水教信者としての使命感から旅の共になる事を許可される。
本人はレイコを自分の美貌で惚れさせる事に成功したと勘違いしている。
尚、黙って寝ていれば美形だが、卑屈な顔かゲスい表情をしているのでプラマイ大幅なマイナスで認識されている。
《エステブルク》
・ロマンド・ロッセル・ヴァン・エステブルク
エステブルク王国王太子。ガレッジフォール会戦の講和会議に全権大使としてやって来た。
レイコは知らなかったが内々でレイコの婚約者になる予定だった。
講和会議での振る舞いがレイコの逆鱗に触れ、危うく赤ペンキなるとこだった辛うじて命拾いした人物。
何もしていないのに自分の手柄かのように振る舞い、当事者達の意見も聞かずに敗戦国に賠償を求めようとした。
周囲が自分の思い通りになって当然だと思っている選民思想の強い賤民。
エステブルクを滅ぼしてやろうかとレイコに脅され、人間御手玉からの眼下に広がっていた山を粉砕して見せられ、心をバッキバキに折られた。
少なくとも聖女が自分よりもあらゆる意味で圧倒的上だと理解した。
そしてその態度を心から悔いた。
が、レイコがブチ切れ理由が会議を無駄に長引かせトイレに行けなくした事だとは気が付いて居ない。
・ガスダント・エレベンツァ
エステブルク王国最高司祭。世界で最も聖女レイコを利用しようとし、実際に利用していた人物。
出てゆくレイコを引き止めるも、怒りの籠もった一睨みで恐怖と後悔のあまり公衆の面前で失禁失便して、様々な面から積み上げたすべてを失った。
・ラウン・ラッセル・ヴァン・エステブルク
エステブルク王国国王。ラウン二世。
エステブルクの影響が激増したのを自分の実力だと勘違いしており、レイコも手駒だと考えていた人物。
神殿を出てゆくレイコを引き留めようとするも、一瞥もされなかった。
聖女に見限られた王として、早くもその権威は底を貫きそうになっている。
・ダズモンド・ヴァン・ヴォーグ
エステブルク王国軍元帥。その元帥の装備の力も合わせれば王国最強の騎士。
王を一瞥もしないか無礼さに怒鳴りつけたところ、レイコに睨み返され失禁脱糞の失態を晒し社会的に死んだ。
・ペーター・ヴァン・トワイレット
トワイレット伯爵。レイコの実の父親。
商人から貴族に成り上がった父の後を継ぐ二代目。成り上がる力のあった父と違いこれといった能力はない。レイコを王国に献上した事で伯爵位に陞爵した。
国を出て行こうとするレイコを止めるも、肥え太り過ぎてレイコは誰だか思い出せなかった。
・ジルコ・オーレット
ジルエスタ伯爵を3代支え続けて来た家令。通称爺や。シフォンティーヌの実質的な育ての親でもある。
ジルエスタ伯爵家の事をすべて知り尽くしており、見せしめにジルエスタ伯爵達が暗殺されてからも秘密結社からジルエスタ伯爵領を守ろうと危険を顧みず密かに動き続けて来た。
その結果がエルドバスタ達であり、大悪魔の猛威からジルエスタ領を守り抜くのに大きく貢献した。
そしてその献身は街を動かし、シフォンティーヌを逃がす事にも繋がった。
ジルエスタ伯爵家がどうなるかは分からないが、力の限りシフォンティーヌの帰ってくる居場所を守り抜こうと決意している。
・スライブ・ヴァン・ガレッジフォール
ガレッジフォール伯爵。ザースデン神聖帝国の属国と手を組みエステブルクに反旗を翻した。
元々ザースデン神聖帝国とは手を組んでいた。ジルエスタとは違い脅されていた訳ではなく、利益から手を組んでいた。
自分の利益の為なら他人がどうなっても良いと考える人物であり、魔物に飲み込まれ全身を引き裂かれながら死んだ中でも、最期まで自分がどうしてこんな目に合うんだと思うのみで自らの行いを悔いる事は無かった。
《ザースデン神聖帝国》
・デューダ・リーク・リオ・レオメルト
ザースデン神聖帝国外務卿。レオメルト侯爵。神聖帝国でも十指に入る権力者。五指には入らない。
他国であっても中堅国家ならば王であろうとも自分の命令に従って当然だと考え疑わない傲慢な人物。
家柄で成り上がっただけで仕事はほとんど部下に任せ、外交は部下にも他国の使者にも命令しかしない。
レイコの時間を奪い道を塞いだ事により史上初めてレイコの本気の逆鱗に触れ、赤いペンキとなった。遺体は丁重に拭き取られ、溢れた牛乳の如く下水道に還っていった。
・アレガス・リオ・アズヴェール
ザースデン神聖帝国中央軍第三騎士団団長。神聖帝国の中でも十指に入る戦闘力を有する騎士。五指に入る可能性すらもあるザースデン神聖帝国でも数少ないA級冒険者相当の実力者。
指揮官としても優秀であり、判断能力に優れるがレイコの実力は想定外でありどうにもならなかった。
ザースデン神聖帝国の未来に絶望しながら果てた。遺体は聖女に歯向かったものとして丁重に魔獣の餌として葬られた。
・リーザス・リオ・エクナガル
ザースデン神聖帝国の在アズラン王国大使。エクナガル伯爵。アズラン王国の貴族を自分の部下の如く扱う虎皮狐。
圧倒的な勝利を見ようと戦場に出て禁忌の儀式を行うように指示し、真っ先に魔獣の餌となった。
《秘密結社ベルゼブブ》
・アラガミーア
秘密結社ベルゼブブの首領。首領と名乗るが何者かに従っている狂信者。
その素性をエステブルクは総力をあげて調べているが、今の所なにも分かっていない。
《アズラン王国》
・シーグ・オルハン・マオラグラ
アズラン王国西征将軍。【鉄熊】の二つ名を持つ猛将。国内からは絶大なる信頼を寄せられ、他国からは恐れられている。
王国に絶対の忠誠を捧げているが冷徹な正確では無く、部下を大切にしているが、故に多くを守る為に非情な決断もする。
魔界の門が開いた時は国を守る為にレイコの盾となり勝利に貢献した。
ザースデン神聖帝国に逆らうという国の決定に逆らった訳であるが、その遺体は部下に手厚く葬られ、国中が喪に付した。
《フルボア王国》
・アレーダ・ザイホーク
フルボア王国南方軍司令官。アレーダ王国一と称される智謀を持つ軍師。
フルボア王国では軍を率いるトップは騎士であるのが通例であるが、数多の功績を持って異例の将軍位に着いた軍師。
魔界の門が開いた折には、騎士で無いにも関わらず最前線で指揮を取り、門を塞ぐ事に貢献する。
宗主国であるザースデン神聖帝国の兵を攻撃するよう命じたが、その遺体は手厚く葬られた。
《マダローク》
・エイバーグ・ラリアン
都市国家共同体マダロークの護民兵団団長。ザースデン神聖帝国の息がかかった人物であり、裏工作により現在の地位に着いた。
戦士というよりも工作員であり、本国のどんな命令にでも従う。
しかしそれ故にマダロークの民の心を理解しておらず、後ろから滅多刺しにされる事となった。
遺体は未回収でどこかに散らばっている。