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『京子さん、僕が好きなのは君だけだから。沙織梨さんの魂を成仏させてあげたいだけ。だから安心してほしいんだ』

『そんなのわかってるよ。あと五つ見つかればいいね』

『ありがとう』


啓太はこの日が晴れたことに心から深く感謝をした。

そして京子とふたり、歩いて回った。

『お〜い、啓太』

遠くから信二の呼ぶ声が聞こえた。

声がした方向へ啓太と京子は振り返る。

京子は思わず吹き出してしまった。

啓太もつられて一緒になって笑った。


なんと信二は土木作業員顔負けのど派手なスタイルで現れた。

しかもハチマキまでつけて、やる気満々だった。

『お前ら、何を笑ってるんだよ。バカヤロー』

『その格好じゃ、誰だって笑ってしまうさ』

京子は笑いが止まらなかった。

信二が連れてきてくれたサークルの仲間も含めて8人くらいが来てくれていた。

『久しぶり、啓太くん』

聡と久美子は、バザーの催し以来だから、本当に久しぶりの対面となる。

『聡さん、久美子さん、ありがとう。本当に久しぶり。元気そうで嬉しいよ』

『あっ、二人は知ってるよね。片瀬京子さんっていってバザーの時、花屋の店員をしていた人』


啓太は京子を引き寄せて紹介した。

そんなことをしているうちに、隆太先導のもと、大勢の町会の人たちや住民がやって来た。

『啓太、どうだ。これだけいたら充分だろう』

『ありがとう、隆太さん。皆さんもありがとうございます』


啓太は胸が熱くなった。

今となっては自分自身を信頼してくれてここまでしてくれる、みんなの気持ちがとても嬉しかった。

啓太はボロボロ、涙を流した。

『隆太さん、ごめん。嬉しくて涙が止まらないよ』

『ははは、涙は剣山をすべて集めた時にとっておけ』

やがて集まった人たちは六十人ほどにも膨れあがった。

隆太の指示に従って剣山探しが始まる。

啓太も信二たちと一緒に、スコップを手に取って土を掘り返していく。

みんな、それぞれが加藤沙織梨の霊を成仏させてやろうと、夢中になって剣山を探した。


半時間くらい経った頃、良子が片山と一緒にやって来た。



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