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9/10

チームであること

早朝、化学工場での小規模な爆発事故。

数名の作業員が負傷し、その中に意識障害を伴う呼吸不全患者が含まれていた。


MORUチームが現場に出動し、柊が最初に患者の状態を確認。


柊:「気道熱傷なし、酸素飽和度88%、脈拍110。

とりあえず酸素でいけるか……?」


そう判断して酸素マスクを装着した直後――

患者は痙攣を起こし、急激に血圧が低下。



神崎:「気管熱傷だ。柊、判断が遅れたぞ!」


柊:「……すみません、でも、喉に外傷は――」


真野:「判断に迷ったら即挿管だろ。

お前、いつから“様子見”する医者になった?」


その言葉に、柊は声を失う。



病院への搬送後、患者は集中治療室に収容され、

幸いにも命に別状はなかった。


だが柊は、誰にも謝らず、誰とも話さず、ロッカールームで一人、拳を握っていた。



その夜。


Y-01の整備をしていた柊のもとに、サーシャが飲み物を差し入れる。


サーシャ:「私、昔、注射ミスして患者にあざ作ったことある。

しかも、気づいたの神崎さんで……。

でも、あの人、怒鳴らなかった。“次は絶対にやるな”ってだけ」


柊:「……俺は、ミスで済まないかもしれなかったんだぞ。

MORUにいちゃいけないかもな」



そこに日向も現れる。


日向:「なら、俺もいちゃいけない。

去年、輸液ルート1本間違えて輸血遅れた。

でも誰かがカバーした。それが、チームだろ?」


真野が静かに声をかける。


真野:「お前が判断した時、間違ってたかもしれない。

けど、次に“迷わず動ける医者”になるために、

ここにいるんだろ?」



最後に神崎が現れ、柊の肩に手を置く。


神崎:「チームであるってことは、誰かが倒れた時、

他の誰かが立ってるってことだ。

失敗を責め合うんじゃない。

“次にどうするか”を支え合う。それがMORUだ」



柊は黙って頷き、

Y-01の鍵を手に取った。


「……次は、絶対に間違えない。

俺がこのチームにいる意味、ちゃんと証明する」

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