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それでも現場は動いている

避難所での「ダブル救命」から数日後――

MORUの活動は一部メディアやSNSで話題となり、

「命を選ばなかった勇気」として称賛される一方、

「非効率で危険な独断行動」として問題視する声も上がり始めていた。



そんな中、厚生労働省の監査担当とNEPTの上層部が合同で、

蒼鷹総合病院およびMORUの活動内容を調査するため現地に訪れる。


調査官:「患者の治療選定において、国家プロトコルを逸脱したと確認されています」

神崎:「あのときプロトコルを守ってたら、ひとりは確実に死んでた」

調査官:「命は感情で扱うものではありません。冷静な判断が国民全体を救うのです」



会議室では重苦しい空気が流れる。

だがその間にも――


Y-01は再び現場で動いていた。


郊外のアパートで高齢夫婦の一酸化炭素中毒事故が発生。

消防からの通報を受け、MORUがいち早く現場に急行。



現場は狭く、救急隊では搬送困難な状況。

神崎、柊、日向が保護具を着け、煙がこもる部屋へ突入。


柊:「意識なし、呼吸弱い。酸素飽和度74%!」

神崎:「気管挿管、急げ!」

日向:「カウンター裏、もう1人発見!」



Y-01の中での連続蘇生処置。

真野の指示でCPAP管理、高濃度酸素投与、抗毒素投与を同時進行。


呼吸音が戻ったとき、誰もが無言のまま顔を見合わせた。



神崎は搬送車内でつぶやく。


「どれだけ制度が整っていても、

人が“今、生きようとしている場所”は、机の上じゃない。

現場なんだ」



病院に戻った神崎たちに、南雲が冷静に言う。


南雲:「制度を守る者と、現場を貫く者。

どちらが“命を背負う資格”があるのか――その答え、僕たちはそろそろ出さなければなりませんね」


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