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第七章 崩れゆく均衡と、新たな誓
夜の街灯が照らす路地裏。光は息を整えながら、千紗とともに次の行動を考えていた。
「管理局の計画を止めるには、内部の情報をもっと掴まないといけない」
千紗は真剣な表情で頷いた。
「でも、あの施設は厳重すぎる。普通の手段じゃ無理よ」
光はポケットから小さな端末を取り出し、画面を見つめる。
「ここに、管理局の一部職員の裏の連絡網がある。俺が手に入れたんだ」
千紗の目が輝く。
「さすが光くん。あなたの力、侮れないわね」
二人は互いに微笑み合ったが、その背後には確かな危険が迫っていた。
翌日、学校では異能力者に対する監視がさらに強化され、光のクラスにも怪しい視線が注がれていた。
そんな中、光はふと千紗の様子に違和感を覚える。
「千紗、何か隠してるだろ?」
彼女は一瞬言葉を詰まらせたが、やがて静かに告げた。
「実は、私にも秘密があるの。管理局に監視されていることだけじゃなくて……」
その告白は、二人の関係を大きく変えてしまうことになる。