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「労働用孤児」

、、、ロー、、k、


、ハロー、h、、、聞こえt、、、


、、、、ハロー、こちら、世界の戦争を終結さs、、m、である。


今、このおんs、、を聞いているもn、、いればぜひ頼みたいk、、


zy、、7日、世界暦で12月17日。


この放送w、、っている場所、「bスマス・サイk、、」まで、きてほs、、


我々d、、は、うまくあつか、、ができない。どうかk、、ょくしてほしい。


そs、、蒼きえい、、ラリッサよ、、このk、、こえていたなr、、、


、、dうか、もう一度、旗を振ってほし、、、


、、、ザザ、、、ザ、、、






、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、




、、



「いつか、その時まで、あなたの行方を、指名を、どうか見失わないで。」




、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、


、、、







私は、はっと覚めた。


長い長い夢の中で、何かが僕を呼んでいるようだった。


ずっと「テオ。生きて。テオ!」と、呼ばれては、生を望まれていた気がした。




「テオ!!」




私の名前を呼ぶその声とともに、僕の視界は突如として闇へと閉ざされた。



「テオ!!何してるの!!??」



目の前が真っ暗になったのと同時に、頭の上で星と鳥が踊っていた。


なるほど、、、、殴られたな。



「テオ!さっきから昼寝ばっかりしないでよ!さっきローガンさんがあっちで集合かけてたの聞いてなかったでしょ!?」


「えぇ、もう集合かかったの?なんか早くない?」


「そう呑気なこと言ってる場合じゃないでしょ!先週あんなにギッタギタにやられてたっていうのにまだ懲りないの?」



、、ん、、、そうだった。


先週も、集合の号令がかかったの聞いてなくて遅れて、そんで納屋で特別指導と称してお手製の「(つとむ)くん(お仕置き棒)」でギッタギタのメッタメタのケチョンケチョン、グチョってされたんだった。


てか、なんでそんなえぐいことされてたのに忘れちゃってたんだろ、、



「そういえば、そうだったね、、、そうだった、、、そう、、、」



「、、、、、」



「今、私マジでやばくない?」



「そうだよ!!今日はさすがに私もかばってあげられないよ!ほら!早く行こう!!」



それはそれはもう、飛び起きたね。あの山の向こう側に飛んでっちゃうくらいに。


私とベルは、本気で走った。本気と書いてマジ。


それはそれはもう、、、ね、、?


ローガンさんのところに到着するや否や、ベルの説得も空しく本気(マジ)のハイキックを食らいました。


大の大人のハイキックが、華奢(きゃしゃ)でひ弱な僕の顔面に目掛けて。


僕は気を失った。若干、失血によるものっぽかったけどこれは脳震盪(のうしんとう)だったっぽいね。




そして案の定、みんなが通る廊下からよく見えるところに十字につるされてしまった。





、、クスクス、、




「ん、、、」



誰かの笑い声で目が覚めた。


あたりを見てみると洞窟をくり抜いたような岩肌が見える、ピチョンピチョンと汚ったねぇ水が滴り落ちているようなところにいるようだった。



「あぁ、今日はこっちのほうか、、」



僕は(くう)を向いた。



そう、何せこの晒し部屋は納屋の特別指導よりもきつい。


衣食住のうち、衣食が与えられないからだ。


ひん剥かれて晒されて、おまけにご飯もなし。



「詰んだよね、これ。さすがに私もしんどすぎるって、、」




「もう、本当に最悪なんだけど。」




ぷりぷり怒っていたのはベルだった。


彼女は、僕の面倒をよく見てくれる、僕たち労働用孤児の班長だ。


班長なだけあって僕らとは扱いや自由度が違う。


僕たちが今日みたいに高原で食料を探している間も、班長は僕らを監視する役目があり、実質的な労働はないといってもいい。


また、ローガンさんのような大人に対しても意見を言ったり信頼されてたりする。


僕たちとは身分が違うってレベルで優遇されているらしい。




「さっきローガンさんに話しておいたよ。結晶を探しに深くまで潜っていって帰るのが遅くなったって。」


「はえぇ、そんな気が利くなんて、、でもそれだけじゃ許してもらえなくない?」




ベルは、さらにハァ、っとため息をついて腕を組みなおした。




「だから、私のストックしてる結晶でごまかしてきたの。私の結晶でね。」


「うおぉ、すげぇや!ベルは!」



結晶とは、高原の崖から降りて深くにあるエネルギーのもとになるもの。

炭鉱で使う機械の核になったりもっと偉い人たちのお給料になったりするものらしい。

僕らは、そんなもの使ったことはないから伝え聞いた話しか知らないけど。


ベルは、そんな貴重なものをストックしている。


いさという時のために使えるように、ちょっとずつ小出しにして。




「それで、庇ってもらったら何て言うのが筋なのかしら?」




ベルのこめかみに血管が浮き出ている、、



「あ、ありがとうごz」




「それを早く言わんかー!!!」




結晶の残りかすが入った袋で、僕の顔を殴った。


うん、、、痛い。


申し訳なさも相まって、ローガンさんのハイキックよりも聞いた気がした。




「おい、テオ。」




すると、タイミングがいいのか悪いのか、ローガンさんが檻に入ってきた。



「ベルから聞いたぞ。お前、深部まで行ってたんだって?」


「あ、は、はい。つい夢中になっt」




ドムっと鈍い音が、へその上らへんでした。




「何が夢中になってだ。大概にしろ。今日の作業内容は何だったんだ?」




ドムッ、ドムッ




「それをしっかりと把握しとかねぇから号令すら聞けねぇんじゃねぇか?」


「本当にそうだよ!ね!ローガンさん!こんなやつ殴っても時間の無駄ですよ!」



ベルが口を挟んだ。



「まぁ、結晶を取ってこれたのなら及第点くらいですかね、?もしこれで何の成果もなかったら、その時には油田の作業にでも回してしまうってもんですよね?」


「そうだな。号令すら聞けねぇってのは許せねぇが結晶を持って帰ってきたなると話は変わってくるな。」


「そうですね。今日のところは許してやってもいいんじゃないですか?ローガンさん。ついでに他の負傷者もいるみたいですので、そっちのほうで残り作業でもさせておきますよ。」


「そうだな。今日はそっちの作業も多くあるし放してやるか。おい。下せ。」



ローガンさんがそういうと、天井の暗さと同化していた使役霊(ポルスト)を呼び、僕を下した。



「あ、ありがとうございます。」


「さっさと負傷者のところに行ってこい。次号令無視があったら1週間ここの部屋に閉じ込めるぞ。覚悟しておけ。おい、ベルも一緒についていけ。」



そう言い残すと、使役霊を連れて檻を後にした。




「、、、、」


「ほんと、タイミングがいいのか悪いのか、あのクソ親。」



僕の縄を解きながらベルが愚痴をこぼす。




「本当にありがとう、ベル。今日も助けられたよ。」


「本当にそうね。ありがとうなんて言葉じゃ足りなんじゃない?」



そう嫌味をおっしゃると、没収された僕の服を投げつけた。



「それはそうと、早く服着なさいよ。仮にもレディなんだからはしたないわ。」



モゾモゾ、、、


あいにく、僕にはあまり羞恥心がない。レディだなんだか言われても仕方ない。



「さて、服着たなら行くわよ。さっさと治療してから寝ましょ。あんたにしかできないんだから。」


「はいはい、、あー、今日も居残りかぁ」


「あら、文句言うくらいならもう一晩ここにいてもいいんじゃない?」



ぐぬぬとなる僕の腕を引っ張ってベルは奥の救護室に僕を連れて行った。


なぜ僕が負傷者の対応をするのか。


それは、僕がそういうのが得意だからだ。


僕が対応をすると何故か治りが早いらしい。


足を骨折した兵士は、1ヶ月かかるところを2週間で再び前線に戻ったり、出血が止まらない兵士はなんかサラッと止まったりしてる。


でも、大体誤差みたいなもんだ。




この世界に、異能力なんてない。



あるのは、いろんな考えといろんな思惑と、いろんな生き物だ。





僕らがいるのは、労働用孤児収容施設「ジュークイット収容所」


国と国の戦争で、行方のなくなった子供たちがくるところ。


敵の国の子供だったり、この国の孤児だったりと、出生はバラバラだ。


そこにあるのは、行方の無い、哀れな子供たちだけ。


僕らはそこで、「労働用孤児」として働いている。


他にも「生産用孤児」だったり「戦闘用孤児」だったり、なんか色々あるみたい。


何を生産しているのか、何と戦っているのか、それは誰も知らない。


ただ、ここで許されていることは「言われた通りに行動する」ことだけだ。


いつまでここにいるのかは分からない。


もしかしたらずっとここにいるかもしれないし、カッコいい誰かが僕たちを救い出してくれるのかもしれない。


だけど、ここでそんなことを考える子は誰もいない。


僕だけが、ちょっと変わってるみたい。




「テオ。もう着くよ。いい?ここからは大変な作業になってくるからちゃっちゃと、丁寧に済ますよ。」


洞窟を抜けて明かりが見えてきた。


さて、残業といきますか。












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