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66.藤沢の告白②

「すっ、すみませんっ!」


 自分の発した大声に、藤沢は俺以上に驚いたようで。

 慌てて立ち上がると、周囲に何度も頭を下げてから、再び席についた。


 相変わらず、律儀な奴。

 いい奴過ぎるぞ、藤沢。

 まぁ、そんなところ、好きだけどな。


「なんだよ、四条。いきなり驚かせるなよ。なんでわかったんだ?」

「はぁっ?」

「お前、いつからそんなに鋭くなった?」


 クソ真面目な顔をして、藤沢は俺に言った。

 何の嫌味もなく、どストレートに。


 ・・・・俺、お前のそーゆーところ、ちょっとムカつく。

 いつから俺は、鈍感キャラになってんだよ。


「・・・・藤沢、お前もしかして、俺をバカにしてやしないか?」

「いつ俺がお前をバカにしたんだ?」

「たった、今」

「・・・・してないぞ?」


 真顔のままで、藤沢は俺を見ている。

 悪気が欠片もない所が、どうにも喰えない奴だ。

 ・・・・まぁ、そこが藤沢らしいし、やっぱり好きだけどな。


「まぁ、いいや。それで?夏川と何があった?」

「あっ・・・・あぁ、うん。実は、な」


 とたんに、藤沢の顔がフニャリとデレた。

 見てるこっちが、恥ずかしくなるほどに。


「俺、夏川に告白したよ、夏休み中に」

「うん」

「ちょっと、待たされたけど・・・・」

「うん」

「OK、もらえた」


 結果は聞かずとも分かっていたけど。

 藤沢がまるで子供にみたいに、嬉しそうに笑っているのを見ると、なんだか俺まで嬉しくなってしまう。


「夏川な。お前に振られた事よりも、お前に成り行きで告白したことの方を、すごく気にしてたんだ。本当は、言うつもり無かったのにって。瑠偉の事も、悪気があってやったことじゃなかったって。すごく、気にしてた。だから、さ」


 いつの間にかクソ真面目な顔に戻り、藤沢は言った。


「夏川のこと、許してやってくれないか?」

「えっ?」

「俺、嫌なんだよ。夏川とお前の間が、拗れたままなのは。俺は夏川が好きだけど、お前の事も好きだ。変な意味じゃなくて、なんか、放っておけないんだよ、お前の事。夏川もお前も瑠偉も、俺にはみんな大事なんだ。だから、変な関係にはなって欲しくない」

「藤沢・・・・」


 どこまでも真っ直ぐな藤沢の目。

 なんだよ、こいつ。

 いい奴が、過ぎるだろ。

 バカじゃないか、本当に。

 ・・・・でも、俺は嫌いじゃない、藤沢のそーゆーとこ。


「別に俺、もう気にしてねぇよ」

「ほんとか?!」

「うん」


 本当は、まだちょっと引きずっている部分はあったけど。

 ここは【ザ、いい奴!】の藤沢に免じて。

 つーか。

 俺だって、夏川の気持ちに全然気づきもしないで、あいつに酷い事言ったし、な。

 お互い様、なんだよな。


「そっか、良かった!じゃ、呼んでもいいな?」

「ん?誰を?」

「夏川」

「・・・・はぁっ?!」


 藤沢はイソイソとスマホを取り出し、何やらメッセージを送信し始める。


 まてまてまて。

 嘘だろっ、今からかっ?!

 俺、心の準備が全然できてないんだけどっ!

 あれ以来全然まともに顔も合わせてないのに、どんな顔して会えばいいって言うんだよっ!


 焦る俺をよそに、藤沢は再びフニャリと顔を綻ばせ、嬉しそうに俺に言った。


「すぐ、来るってさ」


 マジか、藤沢・・・・

 俺、お前のそーゆーとこ、ちょっと付いていけないかも・・・・

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