65.藤沢の告白①
「四条。今日、空いてるか?」
帰り際。
珍しく、藤沢が俺のクラスに顔を出した。
「ああ。今日はバイト入ってないし。藤沢はアメフトの練習無いのか?」
「・・・・お前それ、一番間違っちゃいけないヤツ」
大きな溜め息を吐いて、藤沢は俺を睨む。
「いいか、四条。似てるかもしれないけど、ラグビーとアメフトは似て非なる・・・・」
「ああ、そっか。ラグビー部だったな。悪い悪い」
なんでだろう?
自分でも不思議なくらい、俺はどうしても藤沢の部活が憶えられない。
ラグビーな。藤沢は、ラグビー部。
・・・・なんかまた、忘れそう・・・・
「じゃ、家来るか?」
「いや・・・・外にしよう。ほら、お前の誕生会やった店」
「えっ?藤沢って、スイーツ男子だったっけ?」
「あぁ、まぁ、な」
「そっか。わかった」
藤沢が、スイーツ男子、ねぇ?
藤沢と並んで歩き、店に向かいながら、俺はどうにも腑に落ちなかった。
確かに甘いもん、けっこう食ってるかもしれないけど。
俺の誕生会の時も、結構食ってたし。
悠木が俺んちに置いて行った大量のチョコも、・・・・なんだっけ?藤沢の部活・・・・あぁ、そうだ、結局ほぼラグビー部に持って行ってもらったけど、あれも藤沢がだいぶ食ったって話だし。
運動量が半端ないから、食っても太ることは無いんだろうけどさ。
男の俺から見たって、羨ましいくらいにイイ体してるし。
でも、ヤロー2人で店に入るほど、スイーツ好きだったけっか、藤沢って。
チラリと盗み見た横顔は、なんだかいつもの、女子に人気のある【精悍な顔】とは程遠く、デレデレしているようにも見える。
・・・・こんなデレ顔するほど、スイーツ好きだったか?
予想通り、店内の客はほぼ【女子】。
ポツリポツリと男子もいるが、いづれも女連れだ。
男2人の客なんて、俺達くらいなもの。
だが、そんな事などお構いなしで、藤沢は席に案内されるなり、可愛らしいパンケーキを3つ、注文した。
藤沢よ、お前・・・・2人分食うほど、パンケーキが好きか?
あっけにとられて何も言えない俺の前で、藤沢は何やら改まって、コホンと、咳払いなどをしている。
「で、なんだ?」
「えっ?」
「俺に話したい事、あるんだろ?」
「あ、あぁ、うん。まぁ、その・・・・なんだ・・・・」
はは~ん・・・・
さすがの俺も、これにはピンときた。
・・・・まて。
【さすがの】って、なんだ?
別に俺は、自分を鈍感だなんて、思ってないぞ?
まぁ、いい。
でも、藤沢がこんな風にあからさまに動揺して顔を赤くするって事は・・・・
「夏川と、なんかあったな」
「えぇっ?!」
藤沢は、店内に響き渡るほどの大声を上げた。




