表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/131

57.悠木の失踪④

「「えっ?!」」


 俺の家に着いた藤沢と俺は、見事にシンクロして、同時に声を上げた。

 そりゃそうだ。

 あんなに捜し歩いていた悠木が-ルイが、俺んちの玄関のドアにもたれかかって座り込んでいたのだから。


「瑠偉っ!」


 俺より早く動いたのは、藤沢だった。

 悠木の側に駆け寄り、肩を揺さぶり声を掛ける。

 だが、悠木は目を閉じたまま、ピクリとも動かない。


「・・・・悠木?」


 続いて、俺も恐る恐る悠木に近づき、声を掛けた。

 目を閉じたままピクリとも動かないが、胸の上下の速度から察するに、これは爆睡パターンだろうと思った。

 外の昼寝ポイントで、芝生の上に寝転がって爆睡している時の、悠木の呼吸と同じテンポだったから。


「四条っ、どうしよう?!瑠偉がっ」

「大丈夫。多分、爆睡してるだけだ」

「え?」

「とりあえず、中、運ぼう」

「お、おう」


 悠木の体を藤沢に一旦預け、俺は玄関の鍵を開けた。

 藤沢がお姫様抱っこで、悠木を和室に運び込む。

 じいちゃんとばあちゃんの仏壇がある、和室に。


「藤沢。悪いけど、真菜さんに連絡してくれるか?悠木見つけたから俺んち来てくれって」

「えっ?!真菜さん、ここも知ってんのか?」

「あっ。・・・・うん、まぁ」


 曖昧に濁し、藤沢が真菜さんに連絡を入れている間に、俺は部屋から悠木の枕を持ってきた。

 そして、和室の押し入れにあった来客用の布団を一組敷き、悠木の枕をそっと、その上に乗せる。


「真菜さん、すぐ来るって」

「そっか。分かった」


 再び藤沢がお姫様抱っこで悠木を布団の上に寝かせたのだが、その間一度も、悠木は目を覚まさなかった。




「ルイ」


 ほどなくしてやってきた真菜さんの呼びかけにも、悠木が目を覚ますことはなかった。

 ただ、規則正しい寝息を立て、眠り続けている。


 もしかして、悠木はずっと、眠れていなかったんじゃないだろうか。

 俺を昼寝に誘いに来なくなった、あの日から。

 俺んちに来なくなった、あの日から。

 だから、寝不足がたたって、こんなことになったんじゃないだろうか。


 藤沢は、真菜さんと入れ替わるようにして、帰って行った。

 とりあえず悠木が見つかったことに、安心して。

 そして、真菜さんには、念のため、うちに泊まってもらう事にした。

 もし、悠木になにかあった場合、俺には何にもできないから。

 だって、悠木は、女だ。

 着替えさせてやることすら、今の俺にはできない。

 きっと悠木だって、俺にそんなことは、して欲しくないだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ