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56.悠木の失踪③

「四条、鳴ってるぞ」

「・・・・ああ」


 藤沢が俺の肩から手を離し、一歩下がる。

 誰だよこんな時に、と思いながらポケットから取り出したスマホの画面に表示されていた発信者名に、俺は頭を殴られたような気がした。


 発信者は、木下 真菜。

 悠木の-ルイの、マネージャーだ。


「もしも」

 ”四条くんっ?!ねぇ、ルイ、そこにいる?!”


 スマホの向こうの真菜さんは、明らかに焦っていた。

 さっきの藤沢の電話も、真菜さんからだったのだろうか?


「いえ」

 ”四条くん、ルイがどこにいるか、知らない?行きそうな場所とか、どこでもいいから知ってたら教えて欲しいの”

「ほんとに、いなくなったんですね、悠木」

 ”えっ?”

「ああ、さっき藤沢に聞いて。今俺、藤沢と一緒にいるんですよ」

 ”そう・・・・そうなのよ、突然現場からいなくなっちゃったのよ。あの子、仕事に穴を空けるような子じゃないから、何かあったんじゃないかと思って”

「分かりました。あいつの行きそうな場所は分からないですけど、俺達も探してみます。見つけたら連絡しますんで、真菜さんも、もし悠木が見つかったら連絡ください」

 ”ありがとう、四条くん。分かったわ”


 通話を終えると、藤沢が怪訝な顔で俺を見ていた。


「俺の話、してなかったか?」

「ああ、うん。真菜さんからだったから。さっきの藤沢の電話も、真菜さんからだろ?」

「・・・・お前、何で真菜さん知ってんの?」

「えっ・・・・」


 しまった。うっかりしていた。

 俺、藤沢にモデルの代役やったこと、言ってなかったんだった!

 悠木と学校での接点しかない俺が、ルイのマネージャーの真菜さんを知ってるなんて、そのうえ連絡先まで知ってるなんて、そりゃどう考えてもおかしいよなぁ。

 でも。

 今はそんなことより、悠木を探す方が先決だ。

 あいつもしかしたら、またどこかとんでもない場所で寝ているかもしれないし。

 もしかしたら、ルイのカッコのままで。


「藤沢、とりあえず悠木を探そう」

「お、おう。もちろんだ」


 俺達はとりあえず、来た道を戻って学校へと向かった。



 藤沢が真菜さんから聞いたところによると、悠木は現場にスマホを置いたままらしい。

 ということは。

 これはもう、足を使って探すしか無いということだ。

 藤沢も俺も、悠木の行きそうな場所に心当たりなんか、全く無かった。

 藤沢曰く、人見知りが激しいという悠木が、人の多い繁華街になど行くとは考えられない。

 行くとしたら、学校か、近くの公園か・・・・俺んちくらいだろう。

 とりあえず、学校内を藤沢と手分けしてくまなく探した。

 いつもの昼寝ポイントはもちろんのこと、悠木のクラスの教室や、体育館倉庫まで。

 学校内にいないことを確認すると、俺達はまた、俺の家までの道を2人で辿った。

 途中にある公園内も、2人でくまなく探した。

 それでも、悠木の姿は見つけられなかった。


「ほんとにどこ行ったんだよ、瑠偉の奴」


 心配からだろう。

 苛ついた顔で、藤沢が舌打ちをする。

 藤沢のそんな顔を、俺は初めて見た気がした。

 きっと悠木は、藤沢にとっても大事な奴なんだ。

 それは、恋愛感情とはまた、別のところで。


 真菜さんから連絡を貰ってから、もうゆうに3時間は経っている。

 そろそろ、日も暮れかけてきていた。


 本当に、どこに行ったんだよ、悠木。

 お前、仕事すっぽかすような奴じゃ、無いだろ。

 何やってんだよ、全く。


 仕方なく、俺達は一旦俺の家で、真菜さんからの連絡を待つことにした。

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