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48.進級

 三学期の期末直前に行われた、悠木のスパルタ勉強会のお陰か。

 藤沢も夏川も俺も、無事二年に進級することができた。

 悠木はいつものごとく、ぶっちぎりで学年トップだ。

 あいつの頭は一体、どんな作りになっているんだか。


 春休みはモデル業が結構忙しかったらしく、悠木が俺の家に来るのは大抵、夕方以降だった。

 俺も日中は用がある日が多かったから、ちょうど良かったけど。

 じいちゃんとばあちゃんの仏壇に手を合わせて。

 たまに一緒に晩飯を食って(作るのはいつも俺)。

 たまに一緒に部屋でテレビを見て・・・・いつの間にか寝ている、という。


 最近悠木は、俺の家に来ると、ダサメガネを外すようになった。

 藤沢と俺の前でだけは。

 春休み中に誕生日を迎えた夏川の為に、俺の家に夏川、藤沢、悠木の3人を呼んで夏川の誕生日を祝ったのだが、その時には悠木はダサメガネを外す事は無かったから、悠木がルイだと分かっている藤沢と俺の前でだけ、なのだろうと思う。

 もともと伊達メガネだし、恐らく瞳の色を目立たなくするために掛けているようなものだろうし、外したところで悠木には何の不便も無い。

 でも。

 いくら長めの前髪で影が出来ているとはいえ・・・・正直、俺の方が困ってしまう。

 何しろ、悠木の瞳は、恐ろしい程に綺麗だ。

 もし、前髪で隠されていなかったら、きっと俺は、直視には耐えられない。


 タダでさえ、俺としては複雑な状況に置かれているというのに・・・・

 悠木は一体、何を考えているのだろうか。

 ・・・・何も考えていなかったりして。

 うん。ありうる。

 悠木なら。



 そして迎えた始業式の日。

 クラス発表を見てみると。

 またしても、俺たち四人は見事にバラけていた。

 と、いうことは。

 俺たちがクラスメイトになることは、もう無いということだ。

 うちの学校のクラス替えは、一年から二年に進級する時の、一回だけだから。

 まぁ、四六時中ベタベタと一緒にいるような関係でもないし、別にいいんだけど。


 藤沢には、夏川と一緒のクラスになって欲しかった…そんで、デレデレしてる藤沢をからかいに行くなんて、面白かっただろうなぁ。

 そして、俺は。

 悠木と一緒のクラスになってみたかったな。


 なんて、少しだけ残念に思う俺がいた。

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