表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/131

29.噂①

「なんだかなぁ・・・・」


帰りのHR中、俺は窓の外をぼんやりと眺めていた。

最近、全く面白くない。

何をやっても、つまらない。

理由に、心当たりはあった。

俺は今、意識的に、悠木を避けていた。


少し肌寒くなってきた頃だっただろうか。


『四条と悠木が、どうやら付き合っているらしい』

『悠木は毎日、四条の家に通っているらしい』

『どうやら、ふたりは既に体の関係もあるらしい』


などという噂が、まことしやかに囁かれるようになり、ついに俺の耳にも入ってくるようになっていた。

そんな噂放っておけ、と。

俺は最初、そんなくだらない噂は気にもせず、藤沢の助言通り、悠木と変わらぬ関係を続けていたのだが。


「お前、瑠偉と付き合い始めたのか?」


などと、藤沢にまで言われるようになってからは、さすがにこれではマズいと思い、悠木と過ごす時間をできるだけ減らすようにしていたのだ。

なにがマズいって。

俺は別にいいんだけど。

悠木に、悪いじゃないか、そんな噂。

実際、俺と悠木は付き合っている訳ではないし。

それになにより、悠木は俺に、自分を『男』として扱って欲しいみたいだから。


俺の友達は、悠木だけじゃない。

他にも友達はいるし、バイトだってしているし。

家に帰れば、掃除に洗濯に、たまに料理。・・・・あと、勉強も多少は。

やらなきゃいけない事なんて、たくさんある。

それに。

悠木と一緒にいたところで、学校じゃ昼寝するとか。うちじゃ、偶に一緒にテレビを見る事もあるけれども、だいたいあいつはテレビ見ている時間より、寝ている時間の方が多いくらいで。

稀に起きていたところで、たまに悠木がボケた事いうから、俺がツッコミを入れるとか。

逆に、俺の失敗を、悠木が冷静に指摘するとか。

本当に、そんな程度。

掃除を手伝ってくれる訳でもなければ、もちろん洗濯を手伝ってくれる訳でもないし。

勉強を教えてくれる訳でもない。

かと言って、一緒に何かをして遊ぶ訳でもないし、もちろん、恋愛的な何かがある訳でも、ない。

なのに。

悠木が、いない。

ただそれだけなのに。

何をやっても、面白くない。


悠木、ちゃんと寝られてるかな・・・・


そうこうしているうちにHRも終わり、俺は急いで教室を飛び出した。

ボヤボヤしてると、悠木が来てしまいそうだったから。

なのに。


「しじょー」

「悠木・・・・」


教室を出てすぐのところで、悠木が俺を待っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ