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119.バレンタイン①

 クリスマスが終われば、街全体が年末年始ムード、のみならず、既にバレンタインモードの店さえある。

 商売人にとっては、書き入れ時のイベントだから仕方ないのだろうけど、受験真っ只中の受験生のとっては、そんなに急かしてくれるなよと、文句のひとつも言いたくなる。

 この年末年始は、こちらに両親が来てくれたお陰で、俺は受験勉強に専念することができた。

 本当に、両親の存在の有り難さが身に染みた。かあちゃんの手作りおせちにも、だいぶ癒された。

 大きな声では言えないが、悠木に会えない寂しさも、両親の存在がだいぶ紛らわせてくれたように思う。

 冬期講習で藤沢とは顔を合わせたが、それとこれとは話が別だ。

 藤沢は好きだが、悠木の代わりには成り得ない。

 代わりにされたところで、藤沢だって迷惑だろう。

 ・・・・いや、どうだろう?

 あいつのことだ、ノリノリで悠木の代わりを引き受けかねない。

 怖い怖い、冗談でもこんなこと、藤沢には言ってはいけない気がする。

 それじゃなくても、あいつの距離感、たまにおかしいからな。

 悠木にいらぬ誤解をされるのは、いい加減勘弁してほしい。


 今年の初詣は、両親と一緒に行った。

 昨年は随分と賑やかな初詣だったが、今年は静かなもんだ。

 ま、当たり前だけどな。

 俺、両親と一緒に初詣に出かけて、はしゃぐような年じゃねぇし。

 ただ、おみくじは今年もしっかり引いた。

 結果は幸先の良いことに、大吉だった。


【学業】実力を発揮できる。努力が必要。

【恋愛】真の想いは必ず通ず。


 ここのおみくじは、よく当たるんだ。

 よく、当たるんだよ。

 だから俺、大学、受かるよな?

 そんで、悠木のことも・・・・

 まぁ、とりあえずは、受験が先だけど。


 俺は、お守り代わりにおみくじを持ち歩くことにした。



 年末年始の休みが終わると共に、両親はまた戻って行ったが、それからいくらも経たないうちに始業式を迎え、今度はラストスパートに悠木先生が付き合ってくれた。

 モデルを引退した悠木は、仕事も無く、受験勉強も無いためか、たまに事務所の事務は手伝っているらしいが、割と時間の融通が利くらしい。

 ああ、俺はなんて恵まれた受験生なんだろうと思う。

 少しでも間違えると、スパルタ悠木先生に氷のような冷たい瞳で射抜かれ、容赦のない言葉を浴びせられるとしても、だ。

 おかげで、大学入学共通テストは、かなりの手応えがあった。

 あとは、志望校の入学試験を突破するのみ。

 冬期講習の最中に受けた模試では、志望校全てがA判定。

 だからと言って、気を抜くわけにはいかない。

『A判定に気を抜いて落ちる人は山ほどいる』

 とは、塾講師の言葉。

 俺は更に気を引き締めて、受験勉強に取り組んでいた。


 そんな状態だからか。

 しょっちゅう、悠木が側にいてくれるからか。

 俺はすっかり、【バレンタイン】なんていうイベントの事は、頭から抜け落ちていた。

 おまけに。

 今年の【バレンタイン】当日は、日曜日。

 学校以外出かけることの無い引きこもりの受験生には、まるで関係の無いイベントになるのも、仕方の無い事だろう。

 おまけに、俺には彼女がいる訳でもない。

 ・・・・好きな奴なら、いるけれど。

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