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115.クリスマス①

 俺たち受験生にとって、クリスマスなんて縁のないもの。

 とは言え。


 いーじゃねーか、たった2時間くらいなら!

 息抜きだって、必要だし。

 だいたい、頭のいい奴ってのは、気分転換だって上手にしてるもんだ。


 てな訳で。


 藤沢、夏川、悠木、俺のいつもの四人で、クリスマス当日の昼間に2時間限定でクリパをすることになった。

 なぜイブじゃないかって?

 それは、イブが、悠木の仕事のラストだったから。

 終わりも遅くなると言ってたし、悠木がいないとこのクリパの意味が無い。

 クリパってのは、実は口実で。

 本当は、これは『悠木の夏川への告白』イベントなのだから。

 クリパの会場は、もちろん俺の家。

 俺の家以外でこのイベントを実行できる場所なんて、他には無い。

 夏川は最後まで『カラオケ行こうよー!偶には思いっきり歌いたいよー!大声出したいよー!』なんて言ってたけど、安心しろ。

 カラオケなんて行かなくても、お前、絶対大声出すから。

 よって、食い物は全て持ち寄り。

 藤沢は、チキン担当。

 夏川は、ケーキ担当。

 俺は、悠木のリクエストで、稲荷寿司担当。

 足りなかったら、ピザでも頼めばいいだろうと、話はまとまった。



 時間通りに俺の家に集合したのは、悠木を除く2人。

 夏川が、不思議そうな顔をして俺に聞く。


「あれ?悠木は?」


 悠木には、こちらの準備が全て整った頃に来るように伝えてあった。

 真昼間にルイ姿で近所を歩かせる訳にも行かないから、真菜さんに協力を仰いで、車で家まで連れてきてもらう手筈になっている。


「あー、もうすぐ来ると思うぞ。その前に、セッティングしちまおうぜ」


 と、藤沢。


 藤沢、ナイスフォロー!


 何事もキッチリしている性格の悠木を知っているせいか、夏川は納得していない様子ではあったが、それでも藤沢に言われたとおり、食い物やら食器やらのセッティングをし始める。

 なんとなく、一応のセッティングが終わった頃。

 予定通り、玄関のチャイムが鳴った。


「悪い、夏川。きっと悠木だ。出てくれないか?」


 事前の打ち合わせ通り、藤沢と俺は用も無いのにキッチンに立ち、椅子に腰かけて悠木の到着を待っていた夏川に、玄関に悠木を出迎えに行かせる。


「うん、OK」


 何の疑いも無く、夏川は玄関へ向かう。

 俺は藤沢とアイコンタクトを交わした後、そっとその後を追った。



「遅かったじゃん、悠木・・・・えっ」


 ドアを開けた夏川は、その場で固まっていた。

 ドアの向こうには、ルイの姿。


「お待たせ、亜由実ちゃん。遅くなって、ごめんね?」


 まるで王子様のような気品漂う笑顔を浮かべ、ルイが夏川に軽く頭を下げる。


「えっ・・・・え、えっ・・・・どーゆーことっ?!なんでっ、なんでルイがっ?!」

「中に入っても、いいかな?」

「あ・・・・はい、え、っと・・・・」


 慌てた様子で、夏川が振り返る。

 もちろん、すぐそこに、藤沢も俺も控えている。

 成り行きを、見守る為に。そして、多少のサポートの為に。

 助けを求めるような夏川の目に、藤沢も俺も大きく頷いた。

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